「虎に翼」1週目感想
さてさて、1日から新しい朝ドラが始まりました。伊藤沙莉さん主演の「虎に翼」。
日本初の女性弁護士となった三淵嘉子さんをモデルにしたお話です。
久しぶりに朝ドラを毎日見ています(予定があってリアタイできないこともありますが、その時は配信で追いついています)
これは面白い。
感想と簡単な法律解説をしたいと思います。
①最高のオープニング
今回のオープニング曲は、「さよーならまたいつか!」米津玄師さんの楽曲です。
米津さんだと聞いてからワクワクしていましたが平気で超えてきました。本当に好き。アニメーションや、ダンスもいいですね。
4/8から配信が開始されたので、筆者もAmazon musicでノリノリで聴いております。
元気が出ます。
②法律って面白い
筆者は一応法学部生です。ええ。
日本法制史の授業などで旧民法も軽くさらった身としては、昔の法律の条文を取り上げてもらえると、ちょっとワクワクします。
未婚女性には行為能力が認められるのに、既婚女性には認められないという(当時)ことに時代を感じましたね…。
法学部生の端くれとして、少々解説したいと思います。もちろん現民法ですが。
行為能力とは、「単独で有効に法律行為をすることができる能力」のことです。
例えば、未成年者は制限行為能力者です。
法律行為をするには、保護者(親権者または未成年後見人)の同意が必要になります。
よく、「18歳未満は保護者の同意がないと〜」みたいな文章がありますが、こういうことです。
しかし、未成年者は何もできないというわけではありません。
現民法においては、未成年者が単独でできる行為として、
①単なる権利の取得・義務の免除
②処分を許された財産の処分
③営業を許可された場合の営業
④保護者の同意なしにした行為の取り消し
※取消権の行使は、保護者の同意は不要。単独でできます。
⑤認知
(非嫡出子=結婚していない男女間に生まれた子 と父子関係を築くには、認知が必要になります。母親の場合は分娩の事実によって親子関係が生じるので、原則として認知は不要です)
⑥遺言(満15歳になっていないとできません)
が挙げられます。
旧民法と現民法では、行為能力の内容や出来ることなどが異なると思いますが、大体このような理解で良いと思います。
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③頭がいい女性の生きづらさ
「虎に翼」と「光る君へ」が同時期に放送されているということが筆者にとっては喜ばしいです。
どちらも「賢くてちょっとめんどくさい女性」が主人公であること。
誰かを引き立てるためではなく、自分が学問好きで賢い、というパターン。
「頭のいい女が確実に幸せになるには、頭の悪い女のふりをするしかない」というはるさんの言葉が刺さりますね…。
歴史好きはここでピンとくるでしょう。
「光る君へ」の主人公・紫式部(役名はまひろ)も、日記で「妬みを買わないよう、漢字の『一』すらも書けないふりをしていた」ということを記しています。
ききょう様(清少納言)が寅子の話を聞いたら、
「ちっとも変わってないわね!!」とぶった斬ってくれそう。
そう考えると、令和はかなり進歩した方ではないでしょうか。
筆者(女性)も、幼い頃から流行り物よりも歴史や古典文学に接している方が楽しいというちょっと変わった子供でしたが、
両親からも友人からも、そのことでとやかく言われた記憶は特にありません。
むしろ、尊重してくれました。
ありがたい限りです。それがなければ、私は今大河ドラマの感想を書いたり歴史上の偉人の話を書いたりしていません。
とはいえ、東大や京大の女性の割合を見たり、医学部試験の女性への待遇ニュースを見たりすると、完全にはそうした固定観念が払拭しきれていないんだなとも感じます。
一時期「リケジョ(理系女子)」という言葉が流行りました。しかし「理系男子」とは言わないですよね。それだけ理系に進む女性が珍しいということの証左でもある気がします。
まぁ、筆者はゴリゴリの文系ですけどね!
そんな私にも、キュリー夫人に憧れて理系の道を志した過去がありましたね…。
ただその後、「やっぱり歴史が好きだなあ」となって積極的に文系に進みました。
良いか悪いかは置いておいて、日本の学生は誰しも文系理系芸術系のどれかを進路として選ばなくてはならないときがきます。
その時に、ジェンダーや固定観念に引っ張られることなく、「好き」や「心が踊るな」という感覚に従って選んでほしいなと願っています。
ちょっと話が逸れてしまいましたね。
とにかく、「虎に翼」、とっても面白いです!
モデルがモデルなので、主人公が大成することは約束されていますから、安心して応援できます。
続きも楽しみです!
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