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謎解きイベントフェスのはなし とナゾガクのはなし

こんにちは、三月です。
今回は、「謎解きイベントフェス」についてのお話と、私が友人たちと実施している「ナゾガク」というイベントの出自や理念についてのお話です。なお、本記事はあくまで私個人の意見であり、ナゾガク実行委員全体の意見ではありません。ご了承ください。

■「謎解きフェス」とは何ぞや、とその歴史

「謎解きフェス」や「フェス」というワードを、コアな謎解きファンから聞くことがあるかもしれません。簡単に言えば、「複数の団体が集まって、謎解きイベントをたくさんやっているイベント」が「謎解きフェス」です。

謎解きフェスが初めて行われたのは、2012年11月3日です。今は渋谷に移転しましたが、当時はお台場にあった東京カルチャーカルチャーにて行われた、そのものずばりの「謎フェス~リアルゲーム団体合同 謎解き大文化祭」というイベントです。

※閑話休題。私、三月という人間は「だいたいのことは私が言い出した」と言いたい人間です。フェスイベントだって私が最初に考え付いていたんだからな。

謎フェスから始まった「謎解きフェス」という発想はとても面白く、愉快で、いまでは様々な人が全国各地で実施しています。一口に「フェス」と言ってっても、実は色んな種類があります。

■謎解きフェスの種類

フェスといっても、細かな違いがあります。その違いについて色々ご紹介いたします。

●出展団体について
「公募」 or 「お声がけ」
……こちらはわかりやすいですね。たくさんの団体が参加するのがフェスの醍醐味です。

公募の場合は、「自分で出たい!」と応募した団体が出展できます。公募の良さは「在野のヤベー人が見つかる」「自分たちの交友範囲外のイベンターさんが出てくれる」なんてことがあります。後者であれば、例えば私はビジネス系の謎解きさんや、あとは若手学生さんとかはそこまで仲良くないですが、ご応募いただくことをきっかけにご縁が生まれたりします。あとは、「新人さん」にとってもやりやすいイベントだと思います。まだお友達がいない人が謎解きイベントを実施するのに、フェスは最適です。

お声がけの場合は、運営チームが「〇〇さん、出てよ」と声をかけられた人が出展しています。お声がけの良さは「クオリティ担保(からの集客の安定)」「連絡のとりやすさ」「ヤベーやつ(上とは別の意味)があんまりいない」あたりです。特に「クオリティ担保からの集客の安定」はイベンタ―にとっては死活問題で、人気団体を誘致できたらそれだけでとりあえず集客はイケるやろ、なんてこともあります。

もちろんそれぞれはデメリットにもなります。公募したらヤベーやつがくるかもしれないし、お声がけしたら想定の範囲内の面白さにしかなりません。一長一短、ってやつです。

●出展(公演内容)について、公演予約について
「枠固定」 or 「完全フリー」
……ちょっとわかりにくいですね。これは「公演時間・形式(主に人数)」に対する、フェス運営からの制限です。

枠固定というのは「会議室Aで11時~15時、だいたい60人くらいが行ける公演がいいな」みたいなことを運営から指定されるものです。ここまで厳しくないものも、もっと厳しいものもあります(公演時間は絶対40分!転換10分!とかね)。このメリットは「はしごのしやすさ」「予約のやりやすさ」「参加者の予定の立てやすさ」に直結します。逆に言うと「完全事前予約制」を成し遂げるためには、運営での枠のコントロールが必要不可欠です。

完全フリーというのは「おまえには会議室Aを1日2万で貸す。あとは好きにしろ」っていうやつです。中でチーム制のホール型をやってもいいし、スタッフ10人に対してお客さんは1人の公演を1時間やってもいいし、部屋を区切って中でゴチャゴチャ複数コンテンツやってもいいし、なんかウォークスルーアトラクション作ってもいいです。この通りメリットは「何でも出来る」「自由」「うまくやればもうかる(採算度外視の人が多い印象ですが、別に誰も儲けるななんて言ってないのだ……)」あたりでしょうか。この形式があるから「ファミレス式」とか「参加時間:1分~∞」みたいな頭の悪……おかしい公演も出現しました。

デメリットはご想像の通りです。枠固定形式は既存の謎解きの枠からなかなか解き放たれない。あと意外かもしれないデメリットは「完全はしごを想定して予約を組んだ際に、どこかの公演が終了時間が遅れるとみんな遅れる」なんてヤバヤバのヤバのデメリットもあります。これをやらかすと、フェスイベ自体の終了が押し、主催は大号泣しながら追加予算を支払います。後者のデメリットは言わずもがな。予約の取りにくさ、スケジュールの立てにくさです。

■ナゾガクについて 理念とその原点

さて、ナゾガクのはなしです。ナゾガクは「ナゾ学祭 ナゾトキ学園文化祭」と銘打ち、2013年11月3日に実施いたしました。

「ナゾガク」が生まれた経緯は、もしかしてもうみなさんご存じないかもしれませんが、「謎フェス」との因縁(笑)がきっかけです。因縁といっても、現在は和解済ですし、結局生き残ったナゾガクが偉いので褒めてください(??)。


これは三月個人の目線の話です。
話は2013年、第2回謎フェスに向けてみんなが動いていたころです。当時謎フェスはいろいろごちゃごちゃ運営していました。主催がなんかふんわりしているし、(いちおう三頭政治みたいな感じだったけど、三頭うまく頭がそろってない)そもそも不満はたくさんありました。「人気団体に声をかける」というやり方、3部制をとることでの参加者のお財布的負担etc……。でもまあ、1出展団体であった私は、不満はあっても「不満だ」というしかできないわけです。
さてはて、私は当時から「RDG」というイベント団体を主催しており、第1回謎フェスも参加しておりました。その時に出展した内容は今でも楽しめるよう販売していますので、良ければ買ってね!(突然の宣伝)。

第一回が終わったころから、とある公演構想があった私は、「RDGは次ここの部屋使う~~公演する~~!!」とニコニコと某偉い人に話して「いいよ~!」と言われておりました。それが蓋を開けてみると、約束していた部屋は他の団体がしれっと使うことになっていました。まあ若かった私は激おこぷんぷん丸です。様々な不満がそれをきっかけに爆発し、謎フェス撤退を決めました。そして、バチギレながら何人かでたまたまお酒を飲んでいた際です。その時に酒の勢いで「じゃあさ~~~~うちらでぇええ~~~~~うちらの理念に満ちたふぇすを~~~~~やるぅううう~~~~~~???? できちゃう??????」みたいなノリが発生し、そのままの勢いで「確か前にフェチフェスとかをやっていた廃病院がサイズ的にぴったりやと思う! いけるんちゃうか!!!」と会場を決め、11月3日という謎フェスとダダ被りの日に第一回ナゾガクを実施しました。

※閑話休題。「今となってはいくらバチギレてたからといってヤバいことをした。でも若さゆえの正義感が爆発したもので反省はしていない」。このころの正義感は、私の短所ですが、自分でもいい個性だと思います。あと、構想していたイベントはちゃんとナゾガクでやりました。

■ナゾガクの理念

ナゾトキ学園の文化祭は、みんなでつくるイベントです。
ナゾトキイベントに参加する楽しみ、ナゾを作る楽しみを、
一人でも多くの人に知ってもらいたい。
だから、どんな人でも参加できる。やりたいことは全力でやる。
楽しい文化祭にするため、全参加者が一体となって楽しみましょう!

これは、初回のナゾガクのサイトに掲載されている理念です。この理念はいつまでも変わりません。私自身が(無駄に謎解き界隈にいる歴だけは長いけど)友達もあんまりいないし、あと人を誘うのがものすごく苦手です。自分から仲間に入れてって言うのもとてつもなく苦手です。だからこそ、誰でも来やすい「場」を作ることはナゾガクのマストの要素です。

だから、どんなに困ったことがあっても公募制はやめません。知り合いにラインするより、イベントとしての応募フォームに必要事項を入力して入れるほうが楽だ、という人が絶対います。(もちろんこちらから「出てよ~~」って言うことはありますし、運営予算で作ってと正式に依頼することもあります。それはそれ、これはこれ)

かかる予算や出展費用なども、途中から公開するようにしました。それもこれも「まだ見ぬこれからのナゾトキ学園の生徒が、参入しやすいように」です。

2013年からずっと参加してくれている人もいて、2019年に初めて参加してくれる人もいます。どちらが大事とかはありません。どちらも大事です。ナゾトキ学園は学校なので、在校生は在校生の楽しみ方が、新入生は新入生の楽しみ方があります。他校の文化祭とか、知らない街のお祭りとかに遊びに行ったような、そんな絶妙な感覚くらいまでになれればいいなあとは思っています。他校の文化祭に行くとさ、最初は「しらね~よ」みたいな人たちがちやほやされていたり、みんなが仲良さそうで疎外感があるけど、なんやかんや展示とかしっかりしていると、最後は楽しいじゃない?

2013年の頃から事情はいろいろ変わりました。
同人団体は単独公演をあんまりやらなくなったし、Twitterみたいなところでの一枚謎は流行るし、謎解きイベントにあんなに行ってた人たちはマーダーミステリ―ばっかりやってるし。
でも変わらず、「何かが生まれる場」を提供し続けることに意味があるんだと信じています。だから「もう飽きたなあ」「しんどいなあ」「謎解きイベントなんてどれもどれじゃい」と思っても、ナゾガクをやり続ける意味があるのだと思っています。

・初めて謎解きイベントを作ってみたい。でもノウハウもないし、集客も心配。
→大丈夫。フェスなら先輩が身近にいっぱいいるし、会場費とかも最低限で抑えらるし、参加者もお財布ゆるゆるで謎解き大好きなのがいっぱいいるよ!ここで名前を知ってもらえたら単独公演とかも集客しやすくなるよ。

・地方でイベントをやっていて東京に進出したいけど(同上)
→大丈夫。同上。

・頭の悪い遊びを思いついた。やりたいけど怒られるかもしれない。
→大丈夫。フェスなら1個くらいやべーやつあったっていいって!!!! とりあえず好きなことやってみ??? 

■さいごに

ナゾガクとかいうイベント、めちゃくちゃおもしろそうじゃない?

私も参加してみたいので誰か主催しませんか???

あといい感じの会場ずっと探してます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。