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「ARG」と「全体戦謎解き」の違い

こんにちは、三月です。アレの話です、アレ! 名前を出してはいけないあの話です。

私事ですが、会社で例の衝撃を受けしょんぼりして家に帰ってPCを付けたところ、GoogleChromeちゃんで件のやつに関するTogetterが開きっぱなしになっており「あ、私……意外に楽しみにしてたんだな」という衝撃を食らいました。大はしゃぎしてなかったけど、けっこう期待していたようです。

◆何が起きたか

1、これが起きる

2、謎解きがはじまる

3、物語が進む

4、ネタバラシされる

◆なんでこれにしょんぼりしている人がいるの?

というわけで、「Project:;COLD」が公表されました。知らんけど、私の友人たちはだいたいしょんぼりしている気がします。

おかしいですよね。クオリティが高そうなサイト、錚々たるスタッフ面々、SNSを駆使したクロスメディアで進む物語の告知。

「えっ、お前らそういうの好きだったじゃん?」

と、当たり前のツッコミを皆さんするわけです。わかります。わかりますよ。

最初からプロジェクトが発表されて物語が始まっていたら、こうはなっていません。なんか、文句言いつつ横目に眺めていたと思います。

つまり……

【今までのよくある流れ】

1、プロジェクト発表

2、謎解きがはじまる

3、物語が進む

4、物語が終わる

↑これでよかった

【我々が期待した流れ】

1、謎解きがはじまる

2、物語が進む

3、物語が現実世界のように進む

4、物語が終わる

5、プロジェクトが公表され、100日後に死ぬワニ コラボカフェがスタートしてオタクが大はしゃぎして物語の話を語り合う

↑こうなると期待してしまった。期待してしまった!!!
こうなっていたらきっとオタクはコラボカフェにも参加した!!!

【実際に起きた/起きる 流れ】

1、謎解きがはじまる

2、物語が進む

3、プロジェクトが公表される

4、物語が進む

5、物語が終わる

おわり

◆ARGとは?

何十回このサイトを貼ったかわかりませんが、こちらをご覧ください。

>それは「日常空間と物語空間が交差すること」。例えば、日常生活と地続きに、こんな体験ができるのが ARG です:

先に書いた我々が期待していた流れは「物語が現実世界のように進む」というところです。

今回、VtuberというキャラクターだてがあまりにARGと相性が良くてびっくりしました。Vtuberは現実か?という質問はあまりにもセンシティブで、一概に答えを出すことが出来るとは思えません。向こうに人間がいる、でもVも生きている。

ARGを日本で実施するには大きな問題があります。人間は繊細なのです。実例をご覧ください。

「架空の記者失踪」でなかなか大きな炎上が過去にありました。このように「架空」「ゲーム」であっても、失踪・誘拐・人間の死といった大きな負の感情や犯罪に関わりそうなことは、なかなか「現実っぽく」取り扱うことが出来ません。
しかしながら、ゲームとしてはありがりですよね? 殺人事件の捜査、失踪者の調査、それは物語のスタートとしてはありきたりです。

今回の件でも、実際に登場人物の1人が死に、まあまあキツい意見も散見されました。

ちょっと前ですが、なんか漫画と連動していたキャラクターを実際SNSで動かしていて、そのイケメンが死んだときも、まあまあいろんな意見がありました(もっと盛り上げてほしかった)。

◆ARGは全体戦謎解きではないの?

ARGと全体戦謎解きは、かなり近いです。一番違うのは「没入」もしくは「現実と地続きの物語」と言う要素だと思っています。

日本中、世界中の人が協力して謎を解きステップを進めていくゲーム。

全体戦謎解きは簡単に言えばそういうゲームです。

たとえば、「あんたがたに挑戦します」の場合、ステップを進めた先にあるガムテープは現実のものです。そこに物語はありません。参加者が独自に産み出すストーリーは存在するでしょう(彼女とのデートを断ってガムテを取りに行った勇者、あんたがたがきっかけで結婚した夫婦)。しかしそれはドラマであって物語ではありません。

逆に、物語を載せることも出来るでしょう。謎を解くことと物語を進めることの因果関係が明らかであり、ふとした瞬間に「このスマホの向こうで実際に誰かが苦しんでいる気がする」という気がしたらそれはARGなのかもしれません。

フィクションなのに、フィクションじゃない。

フィクションじゃないけど、フィクション。

聖地巡礼でキャラクターが実際に生活する町を訪れたときに、不意に路地からあの子が現れる気がするような感覚。それが続くのがARGです。

なんというか「物語のために謎があるか」「謎のために物語があるか」と言い換えてもいいかもしれませんね。

◆だから、なんでこれにしょんぼりしている人がいるの?

「現実で困ってる人たちがいたから助けたのに、突然『これはキャラクターでゲームでしたww 作ったのは僕! キャストはこの子!』って言われたからすんごい肩透かし食らった」

ARGプロモーションって、もとから人気のコンテンツに乗っかることもあって、それはそれで全然いい。最初から分かってる。聖地巡礼といっしょ。しかし今回は1からキャラクターを生み出した。しかもVtuberっぽい作り方だった。先にも書いたけれど、Vtuber自体が現実かフィクションか曖昧な存在と言えるでしょう。そのふわふわしたところでふわふわした遊びをするのがめちゃくちゃ良かった。

のに、ふわふわを一気に引き戻したのですなあ。

◆最後に


でもまあ、ちょっと楽しみではあるよね!! ぶっちゃけね!!! ちょっとだけね!!! まあコラボカフェをやっても行かないくらいの楽しみ感になっちゃったけど。


三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。