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西新宿のLiLiCoと出会った話。

街中を歩いていると
(主に外国人に)声をかけられることが多い。

あんまり知らないところだったとしても
なんか日本人のこと親切に思ってくれてる気持ちを裏切れない気がして
適当に答えているんだけど、微妙にひどいよね、アタシ。

声をかけられるといえば、アタシが20代のころ(遥かむかし)
会社のビルから出たところで何かの勧誘をしている女の人に
声をかけられたの。
タレントのLiLiCo(さん)みたいな人だったわ。

「英語とか興味ありませんか?」

当時、外国人のお友達とかいて英語に興味なくもなかったし、
ワーホリとかもまだ行けちゃう年齢だったから
「話聞くだけなら・・(暇だし)」ってついていったのよね。
ま、絶対断るけど、とか思いながら。

連れていかれたのは西新宿のとある雑居ビル。

パソコンがたくさん並べられていて、
画面越しになにやら学習している方たちの姿。
普通に学校みたいな感じなんだな~って眺めて個室で話を聞き始めたの。

「どうして英語に興味があるの?」から始まり、
入学金がいくらで、授業料がいくらで、どんなシステムで、
どんなことができて・・
新聞にも取り上げられたんだよ、って記事見せられたり
(隅に【広告】って書いてあったから指摘はしておいた)

意外とみんな真面目に取り組んでいるでしょう?どう?
楽しそうでしょう?やってみない?どうどう?
ローンだって組めるよ、みたいな。

アタシもアタシで最終的には絶対に断るんだけど、
なんかそれっぽく悩んでるフリをしたりして、
単純にLiLiCoとの会話も楽しかったから、
オネエ散らかしながら冷やかしつつ、考えるフリしてって、
テキトーに話してたのよね。

普通に話も盛り上がってきてLiLiCoが
「友達になりたい~!」だの「今度一緒に飲みたい~」だの言い出す始末。
いやいや、それはどうかしら、なんてまたアタシもおちょくったりして。

時間にして2時間くらいかしらね。
説明しても説明してもアタシが永遠に落ちないもんだから
しびれを切らしたLiLiCo、席を外したのよね。
どうしたのかしら、って少し待っていたら、
彼女の上司と名乗る男の人がやってきたのよ。

げ!

アタシがあんまりにも落ちないもんだから、ラスボス?こわいわ。
(絶対断るけど)
そんで、その上司が言ったこと。

「なんで英語に興味あるの?」って。

うそでしょう?またそこから??
それ2時間前にLiLiCoに散々っぱら話したわよ
引き継いでないわけ!?とか思って。

あ~、これはもうだめ、さっさと断ってこの場を離れなきゃって。

「あの~それって先ほどの女性に全部お話しましたよ?
担当変わっておいて何もお引継ぎされていないんでしょうか?
これからまた2時間同じお話をするおつもりですか?
アタシそこまで暇じゃないので(暇だけど)失礼します!」

一気に伝えて席を立ち、部屋を飛び出し階段を駆け下りるアタシ。

あ~ドキドキ。
そしたらLiLiCoが階段下まで追いかけてきて
「ごめんなさい、ごめんなさい」って。

いやいや、あなたは一生懸命だったし(楽しませてくれたし)
いんだけど、まあ本気でアタシを落としたいなら、
引き継ぎはちゃんとしないとね、なんて思いながら。

「いえいえ、大丈夫です、失礼します」
すると、LiLiCo「あの~、お友達になりたいので、電話番号だけでも・・」
(あ、本気だったんだ)
「アタシ、お友達募集はしてないのよ、さよなら」つって。
(ドラマみたい)

本当によい暇つぶし(という名の人生経験)になりました。

てか、お知り合いになっておけばよかったかな。
あれは本当に若かりし頃のLiLiCoだったんじゃないか
って王様のブランチ見るたびに思い出すのよね。

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