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人生を深掘りするインタビュー記事にニーズはない? 稀人ハンタースクール2期生募集します。

僕は常々、不思議に思っていた。

なんで、大手メディアで人生を深掘りするインタビュー記事を目にする機会がほとんどないのだろう?

僕は仕事の大半が「人生を深掘りするインタビュー記事」だから、知っている。「人生を深掘りするインタビュー記事」はちゃんと読まれる。さすがにぜんぶがぜんぶとは言わないけど、毎年1本で100万PVを超える記事を書いている。

ちなみに、プレジデントオンラインで最近公開された僕の記事『体育館に「おうち」ができた…能登半島地震で大活躍する「1棟1万円」の簡易住宅を作った大学教授の使命感』は、詳しく書けないのが残念だけど、ウェブメディアで仕事をする知人が「聞いたことがない」というPVを叩き出した。

でも、僕が寄稿している大手メディアのPVランキングを眺めると、同じようなインタビュー記事はほぼ皆無。特にビジネス系は、トップ20に僕の記事が1本だけランクイン、ということが珍しくない、というか、いつもそうだった。

こういう時、人はふたつのタイプに分かれる。

ほかの記事がない=ニーズがないと考える人。
ほかの記事がない=ブルーオーシャンと考える人。

僕はもちろん後者で、26歳の時に旅したキューバのカリブ海を思い出し、ひとりでのびのびと青い海を楽しんでいた。でも、1年ちょっと前のある日、自分がなぜ人のインタビュー記事を書いているのかを振り返った時に、のんびりやってる場合じゃないなと考え直した。

僕は数年前、ドラマ『JIN−仁−』にドはまりして、「死んでいった人たちがまた生まれてきたいと思う国にすること」「正直に生きてきた人たちが、笑って暮らせる世にすること」という坂本龍馬の台詞に胸を衝かれた。

この言葉を実現するために自分になにができるかを真剣に考えた結果、「1000人の希望と挑戦の物語を伝えること」を自分の使命としようと心に決めた。(詳しくは下記の投稿を読んでください)

たしかに、稀人ハンターの仕事をこつこつ続けていれば、僕ひとりで1000人のインタビューすることも可能だろう。だけど、それはあくまで手段であって、目的は「死んでいった人たちがまた生まれてきたいと思う国にすること」「正直に生きてきた人たちが、笑って暮らせる世にすること」だ。

目的を果たすためには、ひとりより仲間がいたほうがいい。古くは桃太郎さんから僕が好きな漫画『ゴールデンカムイ』まで、大きな目的を成し遂げる人たちはいつでもチームを組んでいる。1年前、「おれも同志を求めよう!」と急に思い立って始めたのが、稀人ハンタースクールだった。

世のなかには、ライタースクール、ライティングスクールがいくつもある。それとは明確に違う。僕が「稀人ハンター」として培ってきたスキルやノウハウを伝えるスクールだ。

稀人とは、僕が勝手に作った言葉で「世界を明るく照らす稀な人」を指す。彼ら、彼女らは暗い夜空のなかでひときわ輝く星のような存在で、希望に満ちている。稀な存在だけに広い夜空に散らばっていてそれぞれは独立してるけど、眩く、周囲を明るく照らしている。僕の仕事は、その光を見つけ出し、稀人の物語を世に伝えることだ。

だから、単純に「人生を深掘りするインタビュー記事」を書きましょうというスクールじゃない。自分で稀人を発掘し、企画を立て、メディアに売り込み、インタビューして、読まれる原稿を書く。この流れをイチからすべて伝えることで、埋もれた稀人たちを世に放つ仲間ができると考えた。

僕とまったく同じ志を持たなくていい。ひとりの稀人に光を当てることで、僕の目的に一歩近づくと考えた。

集まったのは、ライター未経験からキャリア20年超、北は福島から南は福岡まで、国境超えてタイ、イタリア、スペイン在住者もいる個性豊かな27人。「人生を深掘りするインタビュー記事」を書いたことがないという人がほとんどで、書いたことがある人は「もっと書きたい」と前のめりだった。

彼ら、彼女らが全7回の講座を受講した後、どう変化したのか?それをすべて伝えることはできないけど、ひとつだけわかったことがある。「人生を深掘りするインタビュー記事」はやっぱりブルーオーシャンで、ニーズがあるということだ。

下記は、スクール生が受講後に書いた15本の記事だ。どれも、しっかりインタビュイーの人生を描いている。もちろん、チャレンジ価格ではなく、まっとうな原稿料が支払われている。

地域創生SDGs情報メディア「ロコラバ」

〇「土砂災害ゼロ」を目指す林業ベンチャー「ソマノベース」。27歳の起業家が取り組む「戻り苗」とは

元商社マン・早川尚吾さんがICTで漁業を変える!マッチョな牡蠣養殖で目指す株式会社リブルの「世界一おもしろい水産業」|徳島県海陽町

「役にたたなくてもいい場所」 社会福祉士のフィッシュ明子さんが博多・中洲で「昼スナック」のママになった理由|福岡県福岡市

服屋なのに、店の95%が野菜!? 観光客から地元の人まで賑わう「HEX HIVE」の片石健司さんが”宇陀産”を売る理由|奈良県奈良市

「おいしい豚は、健康だ」元シェフの関谷哲さんが富士山麓で育てる朝霧高原放牧豚|静岡県富士宮市

きっかけは妻のひと言。「ワイン堆肥」と循環型農業で作る、ただかね農園・髙野宏昭さんのイチゴとは|埼玉県秩父市

「誰もが参加できる農業を」世界中の人が訪れる唐辛子農園ができるまで|埼玉県さいたま市

地元の学生とタッグを組み、愛知の古紙リサイクル工場がアートの舞台に!舞台芸術の世界から転身した4代目が仕掛ける新しいエンターテイメントとは|愛知県名古屋市

「もったいない」から生まれる小さな経済圏 シェア好き不動産屋が始めたカフェ「Mottene」が目指すもの|神奈川県逗子市

ユースカルチャーに特化した「Beyond magazine」

日本の市町村1741をすべて巡った写真家・仁科勝介がまちを撮り続ける理由

「わからないまま」生きのびる場所。4人のコスモ渦巻く4畳半書店「All Books Considered」

2000年生まれの2000人に聞く。『ヤングマンベイグ』のふたりが雑誌づくりで気づいたこと

Y’EST WORKS・廣瀬達也がタイで起こしたコーヒー革命

クリームソーダとカレーで全国を巡る「旅する喫茶」

本とDJブースと珈琲と。神戸元町の書店「本の栞」がつくる場とは

ニーズがあると断言する理由

僕が「ニーズがある」と断言するのは、稀人ハンタースクールの活動に興味を持ったロコラバやBeyond magazineの編集者から、僕ではなくスクール生を対象に「書きませんか?」とオファーをもらったからだ。

稀人ハンター・川内イオへの依頼なら、「僕が書いた記事が読みたい」ということで、カリブ海でひとりでチャプチャプしている頃と変わらない。だけど、「スクール生に書いてほしい」ということは、僕以外の書き手を求めるメディアがあるという証だろう。

ちなみに僕は、ロコラバとBeyond magazineの仕事ではクライアントとの間に入り、企画の取りまとめや原稿の編集に携わっている。なによりも驚いたのは、企画。僕のスマホには取材したい稀人のリストが350人ほどたまっている。それだけ意識して稀人を発掘するためのアンテナを張っているにもかかわらず、スクール生が出してきた企画は、ほとんど僕が知らない人だった。

好み、興味、関心の違いもあるだろうけど、なにより「どこに住んでいるか」が影響しているように思う。東京に住んでいる僕がキャッチできる地方の情報には、間違いなく限界があると実感した。

自力突破


ロコラバとBeyond magazineは、僕への問い合わせから始まった仕事だ。スクールの講義では、「企画の売り込み方」にも多くの時間を割く。下記は、僕を通さず、自ら突破口を開いたスクール生の記事だ。

プレジデントオンライン


いつの間にか「スペインで最も有名な日本人シェフ」に…高卒フリーターの人生をがらりと変えた運命のひと言

「世界一のマーマレード」を作るみかん農家が、「ヤマハのエンジニア」としても働き続けている納得の理由

「成人式には不適切な衣装」をなぜ作り続けたのか…「北九州の恥」と呼ばれたド派手衣装を生んだ店主のプロ意識

ほ・とせなNEW-S

4年間不登校だった発達障がいの息子が数式アーティストに 世間の一般常識を捨てた母子の生き方とは

「人生を深掘りするインタビュー記事」をほとんど書いたことなかったスクール生は当然、実績も少ない。それでも企画が採用され、掲載に至るということは、やはりニーズがあるということに他ならない。

ここに挙げている19本は講座の後にスクール生が書いた記事で、僕が把握しているぶん。ほかにも、スクール生が編集担当としてまとまった仕事を請けて、スクール内で仕事を依頼していたりもする。そこらへんは自由にお任せしていてもはやすべてを把握しきれていないというのは、想定外の嬉しい展開だ。そうそう、僕が知っている限りでも、自力突破した記事がこれから続々とアップされてる予定で、楽しみで仕方ない。

ここまでは、メディア側からのニーズについて書いた。では、読者からのニーズはどうだろう?僕は各メディアの内部の人間じゃないから、細かなPVはわからない。でも、ここに挙げた19本のうち2本は、100万PVを超えている。

ライターにとって、100万PVはとてつもない実績だ。27人の稀人ハンタースクールうちふたりが、受講から1年弱でそれを達成した。それだけ、「人生を深掘りするインタビュー記事」にポテンシャルがあるということだ。

ところで、この投稿を読んでくれた人のなかには、「ブルーオーシャンで遊んでいたお前が、自らライバルを増やしてどうするの?」と疑問に感じる人もいるかもしれない。確かにそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。僕が泳いでいた海が市民プールレベルの広さだったら、あっという間にギュウギュウになってレッドオーシャン化するだろう。でも僕が思い浮かべるカリブ海は、そんなに狭くない。

スティーブ・ジョブズはかつて、「多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」と言った。僕は、「人生を深掘りするインタビュー記事」もそうだと思っている。大手メディアのPVランキングトップ10に1本も入っていないような現状は、広大なブルーオーシャンだ。

それに、いい書き手を育てるのは目的を果たすため。「死んでいった人たちがまた生まれてきたいと思う国にすること」「正直に生きてきた人たちが、笑って暮らせる世にすること」。このチャレンジをするのに、ひとりじゃ足りないと思ってスクールを始めたことを忘れないようにしているし、僕が思いつきもしないスクール生たちの企画を見ると、着実に前進した感がある。

……話がそれてしまった。今、稀人ハンタースクール生たちが「人生を深掘りするインタビュー記事」で着々と実績を重ね、それが読まれて世に広がっている。その様子を見て、ニーズがない、という人はいないだろう。

「人生を深掘りするインタビュー記事」に挑みたい人はほかにいませんか?稀人ハンタースクール第2期生募集に向けて、説明会を開きます。

①2月21日10時~11時30分
②2月22日21時~22時30分

参加希望の方は、下記☆を@に変えてメールください。お名前を忘れずに。
io.kawauchi☆gmail.com



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