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PFOA、PFOSの発がん性について

以前の記事でPFOA、PFOSについて触れたことがあります。
その詳しい内容についてはこちらをご確認ください。

簡単におさらいすると、PFOA、PFOSともに生活の様々な場面で用いられている界面活性剤です。PFOAは食品包装紙にも使われていました。
極めて安定した物質群であることがその特徴なのですが、そのあまりの安定性がむしろ仇をなし、自然分解せずに長期間環境中に留まってしまい、自然や生物への影響が懸念されている物質群です。

世界各国で規制されつつあるこのPFOA、PFOSですが、その残留性による影響はまだまだ分からないことが多く様々な研究機関で調査中のようですが、今回、世界保健機関(WHO)の中のがん専門機関である国際がん研究機関(IARC)がPFOA、PFOSの発がん性についての評価を発表しました。

それによると、PFOAは、4段階中、発がん性の証拠の強さが最も高い「人に対して発がん性がある」というグループ1に分類されました。
また、PFOSについては、「人に対して発がん性の可能性がある」というグループ2Bに分類されています。

まさか、PFOAがグループ1に分類されるとは。
これは、ほぼ間違いなく発がん性がある、ということを意味します。

ただし、これは”がんになりやすいかどうか”を示すものではなく、発がん性があるかどうかの分類です。
違いが分かりにくいですが、少量でも発がんする、というものばかりではなく、もし大量に暴露すれば発がんの根拠になる、というものも含まれます。
がんの原因にはなるが、すべてが危険な物質とは限らないということです。

例えば、同じ「人に対して発がん性がある」のグループ1には、今は禁止されているアスベストの他、ラドンやプルトニウムなどの放射性物質、ヒ素などの毒物が分類されている他、アルコール飲料や加工肉、太陽光なども含まれています。

ここに厚労省が2019年にまとめたIARCでGroup 1〜2BとされているもののPDFリストを貼っておきます。

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000529380.pdf

今回のPFOA、PFOSがそれぞれグループ内でどの程度のリスク評価と位置付けられるかはまだ分かりません。
ただ環境省が行った調査では、令和3年度で、816地点の公共用水域のうち38地点で基準を超えるPFOS及びPFOAが検出されたという報告があります。
https://www.env.go.jp/content/000107495.pdf

基準値超えとは言っても、その値は50ng/Lです。
1ng(ナノグラム)とは「10億分の1グラム」です。
数字で表すと0.00000005gになります。
決して大きい数字ではありません(むしろめちゃくちゃちっちゃい)ですが、まだPFOA、PFOSの環境や健康への影響は研究中です。
この基準値50ng/Lもあくまで暫定です。
環境省によるPFOS、PFOA に関するQ&A集も貼っておきます。

https://www.env.go.jp/content/000150400.pdf

PFOA、PFOS及びPFHxSを巡る動きについてはこれからも関心を持って見守っていきたいと思います。

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