先生の本

お疲れ様です。まーがりんです。
久々にnoteのお題やってみようかな。思い出したこともあったので。

高校生の頃、私はかなりクラスで浮いていました。
勉強ができるわけでもない。体育ができるわけでもない。文化祭やクラスの催し物には非協力的。進学校なのにデザイン系の大学志望。親しい友人はいたけど、友人は多くの友人に囲まれるタイプだったので、狭く深い関係を築きがちな私はクラスに馴染めていませんでした。
そんな頃に、高校の古典の先生と親しくなりました。定年近い男性の先生で、恰幅がよくゴツい。生徒指導も兼ねる強面の先生でした。

私が本や演劇、映画にハマっていたことを知ったのか、クラスで浮いているのを見かねたのかわかりませんが、先生はおすすめの本をたくさん貸してくれました。その代わりに、私はおすすめの演劇のDVDを貸しました。
本来学校には勉強に必要のないもの以外持ってきてはいけなかったんですが、お目溢しいただいていたんでしょうか。
お互いに小説を読んで、DVDを見て、定期的に語り合いました。
あの演出が良い。この物語の締めかたが良い。あの登場人物の行動が意味するものとは…放課後にわざわざ時間をとって、私と語り合ってくれる時間を作ってくれた先生に感謝しかありません。

大学受験では小論文が必要になり、その先生にまた多くお世話になりました。
短い小論文のためにショートショートをひたすら読みました。
私が書いた拙い小論文でも、丁寧に添削してくれました。
卒業後、学校の近くのコンビニでバイトするようになって、また毎朝顔を合わせることになりました。
そこでも短いレジ打ちの間に、この小説がよかった、今はこの詩人にハマっている…そんな会話をしていました。

今はどこにいらっしゃるのか、お元気なのかもわかりません。
できれば連絡を取ってお話ししてみたいですが。
先生から借りて、返せていないままの本がまだ本棚に眠っています。
時折思い返しては、先生の記憶と共に本をめくります。

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