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第35話:太陽系のロマン:ティティウス・ボーデの法則

 今日は太陽系のお話です。 太陽系には様々な惑星がありますが、その惑星の軌道半径は偶然だと思いますか? 今日はそんな惑星軌道の「神」の方程式、ティティウス・ボーデの法則を紹介します。

太陽系(wikipediaより引用)

 ティティウス・ボーデの法則とは惑星の太陽からの距離が簡単な数列で表されるというものです。 1766年、ヨハン・ダニエル・ティティウスが提案した時には、単なるパズルであると多くの物理学者に批判されましたが、 1772 年にヨハン・ボーデ(1746 -1826)が、物理的説明を加えた形で数列の重要性を書き加えて有名になりました。

 当時知られていた太陽系の6 つの惑星(水星,金星,地球,火星,木星,土星)の軌道長半径(太陽からの平均距離)a は

a / AU = 0.4 + 0.3 × 2 ^ n

で表すことができます。 この式のn に-∞、0、1、2、4、5 と代入すると、順に a= 0.4、0.7、1.0、1.6、5.2、10.0 という数字になりますが、 これは水星、金星、地球、火星、木星、土星の軌道半径にほぼ一致するのです。 そして、この式は、n=3 とn=6 以上の数の位置に「惑星」がある事を「予言」したのです。

ティティウス・ボーデの法則(wikipediaより引用)

 そしてこの法則の提唱された後、n=6 に相当する天王星が1781 年に発見され、n=3 に該当する小惑星ケレスが1801 年に発見されました。 ところが1846 年に発見された海王星の平均距離はAU=30.110 でn=7 のAU=38.8 から大きくずれていましたが、なんと冥王星はAU=39.445AU でn=7 に近かったのです。 これを聞くと「おぉーすげぇ」と思うかもしれませんが、今の天体物理では「眉唾もの」の方程式で「偶然」の産物と言われています。

 ただ、いまだにこの式を支持する物理学者も一定数存在し、2024年現在でもこの式に対する「論文」が発表されています。 300 年近く研究をしてくれる「物理学者」がいるなんて、ティティウスやボーデもお墓の下で喜んでいると思います。

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