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第38話:アジャイル開発とドラゴンボール

 最近、アジャイル開発ってなに? と友人から聞かれたのですが、私はソフト開発者ではないので、それに答えられなかったんですよね。てことで悔しいので、調べちゃいました。アジャイル開発w

 私は「アジャイル開発」=「細かい作業に分けて、素早く仕事を処理する」程度しか理解していなかったのですが、これ、なかなか「とっつきにくい」。私も正直理解できているかわかりませんが、とりあえず最初に、私が把握した概要を説明し、後半「ドラゴンボール」をに置き換えて話しをしようと思いますw

 まず初めに「アジャイル(Agile)」を直訳すると「素早い」「機敏な」「頭の回転が速い」という意味になります。 これは想像通りでした。すごくイメージに合って、私にはフィットしましたw

 そしてアジャイル開発は、システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつで、 大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていく手法のことだそうです。


https://udemy.benesse.co.jp/development/system/agile.htmlより引用


 ちなみに私になじみのある、小説もこんな感じで書きますが「大きなセクションに分けマイルストーンを置く」手法はウォーターフォール開発とよばれるんですって、知らなかったw。 て、まぁ、話をもどして「アジャイル開発」は、「小さなセクションを細かく分けマイルストーンを置き、その小
さなセクションを積み重ねて大きなセクション」にするイメージです。

 うーん、それじゃあウォーターフォール開発と変わらないじゃないか? と突っ込まれればごもっともなのですが、 誤解を恐れずに言えば、ウォーターフォール開発にはゴールは1つしかなく、コンセプトを修正する機会が少ないのですが、 アジャイル開発は、「小さなゴール」を積み重ねて最終的なゴールにたどり着くため、小さなゴール毎に修正する機会が与えられる開発になります。 その為、アジャイル開発は「急な仕様変更に強い」開発手法になっています。これがウォーターフォール開発との大きな違いなのです。


ウォーターフォール開発(https://cortechne.jp/dev_method)より引用

 ちなみにアジャイル開発は、2001 年に当時軽量のソフトウェア開発を提唱していた17 名の技術者やプログラマーが米国ユタ州に集まり、 開発手法の重要な部分について統合することを議論したことから始まります。 そして、その時の議論をまとめたものが「アジャイルソフトウェア開発宣言」で、これがアジャイル開発の基礎の考え方になります。 具体的には、アジャイルソフトウェア開発宣言は、ソフトウェア開発とそれに基づく下記の12 の原則を定義されていています。

1.顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する
2.要求の変更を歓迎し、変化を味方につけることでお客様の競争力を引き上げる
3.動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月の短い間隔でリリースする
4.ビジネス側と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければならない
5.モチベーションの高いメンバーでプロジェクトを立ち上げ、チームを信頼し続ける
6.直接顔を合わせてコミュニケーションをとる
7.動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度である
8.開発は持続可能なものとして、一定のペースを維持し続けなければならない
9.優れた技術や設計が、機敏さ(アジリティ)を高める
10.シンプルさこそが本質
11.最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出される
12.定期的な振り返りを通じて、チームのやり方を最適に調整する

https://shiftasia.com/ja/column/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%AE%A3%E8%A8%80/より引用

 うーん、これを聞いて皆様ピンときますか? 正直私はこの文章を読むだけではピンときませんでした。そこで皆様にピンと来ていただくために、ドラゴンボールの作者「鳥山明氏」の実話をもとに「アジャイル開発」を当て
はめていきたいと思います。

 当時、鳥山明氏はドラゴンボールを週刊連載しており、短いスパンで漫画をリリースすることが求められていました。(3.動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月の短い間隔でリリースする)

 ドラゴンボールは当時から週刊ジャンプのキラーコンテンツでしたが、鳥山明氏は名古屋「大好きっこ」でしたので名古屋から出たがりませんでした。 そこで、集英社は「鳥山明氏」を信用し、FAX と電話等で打合せをし(必要であれば面直)、原稿を郵送して渡すことを条件に名古屋での連載を許可していました。 (5.モチベーションの高いメンバーでプロジェクトを立ち上げ、チームを信頼し続ける)

 しかし、当たり前ですが「電話でのコミュニケーションの不自由さ」と「原稿を郵送しなければいけない時間的ロス」があいまって在京の漫画家よりも締め切りがきつかったそうです。 そのためネームやペン入れ等の漫画を書く主要なスケジュールは、ほぼ決まっていたそうです。 ( 8.開発は持続可能なものとして、一定のペースを維持し続けなければならない)

 そこで原稿を早く上げるために考えたのが、「書き込みが複雑なバトルシーン」は「すべて荒野か草原」にするというアイディアだそうです。 (7.動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度である/10.シンプルさこそが本質)

 そして時は「人造人間編」の連載時、「ストーリー」いつも編集の鳥嶋氏と「協力?」しながら作っていたそうです。 ( 4.ビジネス側と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければならない/11.最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出される)

 例えば、鳥山明氏が20 号(ドクターゲロ)と19 号を敵として登場させた時、 読者の声を聞いた鳥嶋氏は「やっと敵が出てきたと思ったらジジイとデブじゃないですか?」と鳥山明氏に直接伝えたそうです。(6.直接顔を合わせてコミュニケーションをとる)

 そこで、鳥山明氏は仕方なく20 号と19 号には退場していただき、17 号と18 号をデザインするのでした。(01.顧客満足を最優先し、 価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する)

 すると鳥嶋氏は「なんで今度はガキですか?」と再び文句を言い、鳥山明氏は仕方なくテコ入れに16号を登場させます。(9.優れた技術や設計が、機敏さ(アジリティ)を高める)

 しかし16 号を出しても読者の声を代弁する鳥嶋氏の文句はおさまらず、結局物語の後半にセルを登場させたといいます。 ( 2.要求の変更を歓迎し、変化を味方につけることでお客様の競争力を引き上げる)

 まぁ、そんなこんなで人造人間編が完結するのですが、セルや20 号や19 号の「敵を吸収して強くなる」という発想は評判がよかったらしく、 次の「ブウ編」にもこのアイディアが生かされてそうです。(12.定期的な振り返りを通じて、チームのやり方を最適に調整する)

 かくしてドラゴンボールはできあがったのですが、これってアジャイル開発そのものに見えませんか?  なんというか、天才というのは、最新のビジネススキームを知らない間に体現してるんですよね‥‥。

 こりゃ凡才が追い付けないわけだ‥‥、とほほw

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