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エマルゴ

救急や災害の研修方法には色々あるが、これまで参加して「おもろい!」と思ったのが、「エマルゴ」と呼ばれるものだ。

これは、バスの横転事故による多数の傷病者発生という設定であっても、大規模な災害の現場や実際のバスや傷病者を用意する必要もなくて、災害における時間経過を設定して、マグネットの人形をトリアージしたり、処置したりして動かすことで、病院までの情報の流れや救急システムや指揮命令系統を実際に即して見直すことが出来るものだ。

ピン!とこないかもしれないが、要するに「ごっこ遊び」感覚で、「○時○分、地震が発生しました」みたいな設定から現場が動き出す。

分刻み、時間刻みで、現場の状況を作り物の人形やベット、担架、医療材料、救急車等を動かしていくのだが、意外と盛り上がる。

初動のほんの5分を時間でも、実際の5分にどんな動きをするか、人形や救急車なんかを動かしていく。

もし医師が処置や手術に入ったら、どの処置には何分が必要か設定がされていて、医師の人形はその時間は動けなくなる。

そして、もし同じことが実際に起こったら、現場でマイマイしそうだが、定期的に時間を止めて俯瞰するので、自分の思考癖や行動を客観的に見ることができる。

何より失敗しても誰も死なない。いや、助けられなくて「黒タッグ」をつける場面はあるけれど、これは架空の訓練なので、何度でも検証できる。

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わたしもエマルゴ研修には何度も参加した。参加するたびに違う参加メンバーと組むので気づきもあるし、やるたびに洗練される。

大規模災害の場面でも、連携が取れて、近隣もしくは遠い地域の病院へ救助者を搬送し、全員が助かると「万歳~」ものだった。

これが室内という限られた空間、ラミネートされた人形やベット、救急車を動かすだけでできるから、エマルゴはおもろい。

今のコ○ナ政策も、エマルゴみたいに机上でシミュレーションしてみて、目詰まりがないかな?どうすればもっと効率化できるかな?みたいなことをやって欲しい。

もしかしたら、やってる?

でもね、やっていてこの有り様なら、全体を俯瞰できる人材がいないってこと?うむむ~


イラストは、lisa500mlさんのものです。