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冬支度

冬支度友に孫できディスタンス

季語は「冬支度」です。友だちに孫ができ、嬉しい知らせ。それでも、今は、ソーシャルディスタンスが必要だし、子も孫もいない、お一人様のわたしは友だちと距離をとって、身も心も寒さに備えて支度をします。そんな心情を詠んでみました。

以前、金沢の兼六園で見た雪吊りが見事で、寒さの中、見惚れたもんです。でも、今回の俳句は、庭木の雪折れを防ぐための雪吊りや雪囲いを施す、そんな冬の光景と自分を重ね合わせてみましたが、如何に?


初登山葉を盃に岩清水

季語は「岩清水」です。俳句を嗜まれる方が「岩清水」の季語で一句詠んでいました。

その句に触発されて、以前、山に登っては、川の側に生えている葉っぱを盃みたいな形にして、それで水を飲んで美味しかったことを思い出しました。

葉っぱによって味も変わるし、色々と試しているうちに、山登りで火照った体も落ち着きました。

まあ、お腹を壊したらいけないので、あまり川の水は飲まない方がいいかも知れません。でも、山登りの楽しみは、この葉っぱの盃と川の水で淹れた珈琲でした。


冬夕焼け手製の靴と歩みゆく

季語は「冬夕焼け」です。空気の澄んだ冬の夕焼けは、鮮やかで美しいもんのです。その夕焼けを眺めながら、自分で作った革の靴を履いて、歩く。

寒いんだけど、どことなく心が弾むし、歩も軽やか、みたいな気持ちを詠みました。


青田風草むらで便癌悟る

季語は「青田」です。これは、わたしが看護学生の時に受け持たせて頂いた、患者さんの実体験です。

農家の彼女、稲の苗が一面に青々と生い茂っている田んぼの草引きをしていました。ところが、急に便意が催して、こっそり草むらで用を足しました。

すると、便に血がついていました。その瞬間「癌かも」と思ったそうです。我が家もそうでしたが、当時は"ぽっちゃんトイレ"が主流だったので、気づかなかったんですね。

「野糞してよかった~」と、明るく振る舞っていた彼女のことは、今も忘れられません。