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一段登ると、一段上の世界が見える


不揃ふぞろいの秋の根菜こんさいカレーの具
不揃いの根菜カレー秋深し(角さん作)


「首を切られないように大人しくしとこう」

派遣で働いている知り合い、次は自分の首が切られると危機感を持ったのかしら、本音がポロリ。

そうかあ、派遣で切られないために、彼女は大人しくする方が得策と考えているのか。

でも、彼女は起業して、個人事業主、つまり社長さんとして働いている。でもまだ新米の社長さんで、内情は火の車のようだ。

今はスタッフに給与を支給することが先決であり、自分の給与は雀の涙らしい。そのため小遣い稼ぎ目的で、副業をしている。

働き方は自由で、本業の手取りが少なければ副業すればいい。ただ、本業でも副業でも、仕事をして給与をもらうからには、責任感を持ってやるだけだ。

その責任感が給与と比例をするかどうかは、これまた個人の価値観だ。

で、副業。彼女にとっては本業よりはるかに手取りが多い副業だが、副業は副業。やはり自分の会社が可愛いし、たとえまだ軌道には乗っていなくて赤字であっても、自分の会社への愛情がある。その愛は奪えない。

その本命の愛を守るための副業、手放す訳にいかない。派遣切りに遭わないように、大人しくいることを選択するのもいい。

悪くない選択だろう。でも、老婆心ながらと考えてしまう。

ということは、個人事業主である彼女に首を切られないようにするには、大人しくする、それが正解ってこと?

上司に歯向かわない、無駄に波風をたてない大人しいスタッフ。そんな壊れた風見鶏みたいな被雇用者でいることをよしとするなら、スタッフが自ら課題を持って、能動的に働いてくれんと不平を漏らすのはおかしいのではないかしらん。

なんて、万年雇われの身とは違い、トップにならないと見えない世界がある。新境地へと歩み出した新米社長さん、がんばれ!


「車窓から生つばゴクリ芋煮会」