見出し画像

「村上春樹 presents 白石加代子の怖いお話『雨月物語』」に行ってきた①~文化施設編~

9月28日、「村上春樹 presents 白石加代子の怖いお話『雨月物語』」に行ってきました。
そもそも私、このイベントの存在を知らなかったのですが、国際文学館の方から「席に余裕があるので、いかがですか」というメールを頂いたのです。なぜ頂けたかと言えば、「村上春樹ライブラリー募金」に寄付をしたことがあるから。

寄付したことがあるといっても、ほんのちょっと、しかも1度だけなのに、こんなお誘いを頂けて、恐縮でした。一応2次募集扱いなので、希望者が多かったら抽選という話でしたが、幸い当選でした。
でも同様に案内を頂いた姉も当選していたので、本当に抽選だったかは謎。そもそも春樹ファンなら垂涎の的であろうイベントなのに、最初の募集で席が埋まらなかったのは、なぜ? 春樹さん、人気が落ちてきているの? 国際文学館の募集の仕方が下手で、多くの人の目に留まらなかっただけ?


ともあれ、このイベントのためだけに、はるばる早稲田まで行くのもと思い、ついでに学内の文化施設を観ることにしました。まずは會津八一記念博物館へ。

會津八一記念博物館

ここには以前も来たことがあり、無料とは思えない展示の充実ぶりに驚いたものです。しかし今回は常設展示がお休みで、企画展の「早稲田大学を訪れた旧石器人」のみ観覧可能でした。

企画展の名前は面白いですが、展示されているのは石器に次ぐ石器なので、残念ながらあまり興味は持てず、早々に退出しました。


次いで早稲田大学歴史館へ。

ワセダベア

創立125周年記念マスコットキャラクターでございます。
ちなみに学外の方は「何ゆえ125という中途半端な数字」とお思いでしょう。これは我らが母校の創設者の大隈重信が、「人間は本来125歳の寿命を有していて、健康に気を付ければその年齢まで生きられる」と言っていたことに由来します。


脇道にずれましたが、早稲田大学歴史館、予想外にと言っては失礼ですが、結構面白かったです。

大礼服姿大隈重信石膏像

早稲田と言えば、ライバルは慶応義塾大学ですが、創設者同士は意外と仲が良かったそうです。福澤諭吉の方が先に亡くなっているのですが、その死に際し、大隈さんが自分の温室で育てた花を自ら切り、供物として福澤家に届けたというエピソードは、なかなか素敵。
ただその温室、菊や蘭のほか、メロンやマンゴーも栽培していたそうです。あの時代にマンゴー? そしてメロンについては自ら品評会も開き、「ワセダ」という新品種まで作り出したとか……。


そして會津八一のコーナーも、なかなか印象的でした。「古の人に自分の姿を見てもらえないのは残念」(解釈を間違えていたら、すみません)という内容の歌が書かれた湯飲みが特に。新薬師寺にある會津八一の歌碑に書かれた歌も、紹介されていました(ちなみに新薬師寺には2度も行っているのに、この歌碑はスルーしてしまっています)。

ちかづきてあふぎみれどもみほとけの みそなはすともあらぬさびしさ

「仏さんがあひてになってくれないといふ淋しみ」がこの歌には込められているそうです

會津八一さん、昔の人や仏さまに自分の姿を見てもらい、対話をしたかったのでしょうね。


WABIAN-RV

「全身で『嬉しさ』『悲しみ』『怒り』の3つの感情を表現できる歩行」ができるそうで、映像で良いので見たかったなぁ。


企画展の「フクちゃん ワセダダイガクノ巻」も良かったです。

フクちゃんがかぶっている学帽が早稲田大学の角帽に似ていたことから、フクちゃんは1950年から2003年まで50年余りの間、ワセダのマスコットとして、特に早慶戦などで多用され、人気を博しました。
フクちゃんは、作者の横山から「早稲田の杜だけは著作権なしの治外法権」と直々にその使用が認められました。

【早稲田大学歴史館】企画展「フクちゃん ワセダダイガクノ巻」 – 早稲田文化 (waseda.jp)

なぜ治外法権は2003年で終わったんでしょうね? 世の中の流れ的に、さすがに自粛するようになったのでしょうか。


なお、歴史館前に高輪築堤の石が展示されているという情報を事前に仕入れていたのに、見忘れました。

ま、またおいでというやつかな。


早稲田大学オフィシャルウォーター

110円です。ミュージアムショップで購入。


大隈重信銅像


総長高田先生像

大隈さんを撮って、ふと右を見たら、「私も撮りなされ」と高田早苗先生がおっしゃっているような気がしたもので。


そして早稲田大学演劇博物館へ。

早稲田大学演劇博物館


演劇博物館説明

「シェイクスピア劇が上演できるようになって」いるから、昨年の「雨月物語」は演博の玄関でやったのですね。


全世界は劇場なり

ここも展示が非常に充実しており、学生時代を含め複数回来ています。ただしこの日は見学できない部屋が多く、ちょっと残念でした。


マリー・アントワネットになりきれます


ついで国際文学館(村上春樹ライブラリー)へ。

国際文学館(村上春樹ライブラリー)

本来は午後5時で閉館なのですが、この日は「雨月物語」を観にくる人のために、6時まで開いていました。よって5時以降、観客と思われる皆さんが、続々と集まっておいででした。


羊男

春樹さんが描いたものです。


階段本棚


舞台「海辺のカフカ」で使われた舞台美術装置


今更ネットで館内案内を見て、春樹さんの書斎を再現したコーナーを観ていないことに気付きました。うーん、またもや「またおいで」か……。


ほどほど館内で時間をつぶし、お腹もすいたので、夕飯へ。


蘭州清湯牛肉麺

前から蘭州ラーメンを食べたかったので、早稲田にあると知り、行ってみました。

いかにも本場の味という感じで美味しかったものの、これが千円って、いささか高いような……。もう少し安いメニューもあるとはいえ、学生街の店の値段とは思えません。他の店も、ちらちら見たのですが、どこも結構高かったです。学生は、平気でこういうお店で食べられる子と、菓子パンとかでお腹を満たす子に、二極化しているんだろうな。


ちなみにちょっと嬉しかったのは、時々利用していた「いねや」が健在だったこと。当時は唐揚げ弁当が安くて美味しかったです。途中から値上げしましたが……。


この後、ようやく大隈講堂に向かいました。



この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。