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戦争と向き合う⑤ 沖縄の戦跡⑵ 前田高地と映画『ハクソーリッジ』 / 2023年6月9日

病気療養中のみやびです。

毎年6月23日には沖縄へ行くぞ!と意気込んでいながら、コロナに感染してしまいました〜😭😷

行けなくともやれること、、そうだ!沖縄戦跡の投稿を読んでくださった方がお勧めしてくれた、あの映画を観よう🎞️✨

と、言うことで。およそ1年越しとなりましたが、、

五ニ高台(シュガーローフ・ヒル)の記事を書いた際、何人かの読者さんが教えてくれた映画を観ました。2016年上映の映画『ハクソー・リッジ』です。

あらすじは簡単に。

デズモンド・ドスという青年が第二次世界大戦中、陸軍の衛生兵として沖縄戦に加わり、激戦下で多くの兵士の命を救った話です。

なんとコレ、ほぼ実話なんです。何が変わっているか?

デズモンド・ドスは非武装で戦地に赴いたのです!キャーッ😳💕

監督は、俳優としても有名なメル・ギブソン。代表作は『マーヴェリック』『ポカホンタス』『身代金』『博士と狂人』ですかね?

映画 感想 で検索してみましたら、、こんな内容が書かれてました。

「戦争モノはプライベートライアンが最強!メル・ギブソンは経験が足りない」

いやいや、メル・ギブソン監督作ではベトナム戦争を題材にした作品なんかもあった気がしますけどね…

人の意見、みんな違ってみんな良い。皆さまにおかれましては、ご参考まで。

この映画の前半は、実在の人物であるデズモンド・ドスの生い立ちや宗教観、人柄、人間関係(将来の妻との出会いや家族関係など)を丁寧に描いています。

デズモンド・ドスは志願して軍隊に入りますが、非武装の意思を貫き通すも認められず、、、上司や同僚に散々いじめられてしまいます。

すったもんだで何とか認められ、戦地に征くこととなるのです。

さて後半、舞台が沖縄の戦地に移り変わります。この地は日本語で、前田高地 (= ハクソー・リッジ)。

Hacksaw Ridge (ハクソー・リッジ)

Hacksaw =弓のこぎり
Ridge =(長く伸びた)頂上部

実際の前田高地は、崖っぷち。弓のこ頂上部かぁ、なるほど…みたいな。

この弓のこぎりの前田高地、負傷してしまうと撤退できません。地形が鋭角ですからね〜。健常者でも大変なのに、負傷者など逃げようとも逃げられず、タップリと銃弾を浴びせられ蜂の巣にされてしまうでしょう。

ここからちょい、ネタバレします。ご用心!

デズモンド・ドスは、救護担当の衛生兵として、武器を持つことなく戦場に来ました。

多くの敵を殺すのではなく、傷ついた兵を救うため。『衛生兵だから』武器を持たない訳ではありません。彼の信念、宗教観を貫いたからです。

映画の場面が沖縄の戦場となり、あまりにも惨くまるで止まぬ攻撃に、デズモンド・ドスはなす術もありません。衛生兵としてほとんど役に立ちませんでした。

それが、米軍の一時退却を見届けた後。

彼は第一線に残り、隠れ息を潜めながら、逃げ切れなかった負傷兵を見つけ出してゆきます。

1人、また1人と手当てを施し、彼らの身体を縄で縛り上げて崖から下ろすと、また次の負傷兵を見つけて助け出すのです。その数、75名!

中には、日本人負傷兵も含まれていました。

映画の見どころは…  見どころではなく、私が皆さんに観ていただきたいシーンを書きます。

ますます激化してきた前田高地の戦場で、上官がこのような指示を出します。

“Shoot anything that don’t speak English.”
(英語を話していないものは何でも撃て)

映画には出てきませんが、実際の沖縄戦では多くの民間人が犠牲になっています。

アメリカ人にとっては、日本人の恐ろしさと底力を表したに過ぎないだろう、この言葉…

“Shoot anything that don’t speak English.”
(英語を話していないものは何でも撃て)

沖縄戦の悲惨さを知れば知るほど、この言葉は重くのしかかります。

…… 対馬丸を撃沈させ、本土空襲で日本家屋に焼夷弾を大量に落とし、核を、原爆を日本2箇所に投下した国…!

“Atomic bombs hasten the end of war.”
(原爆が戦争終結を早めた)

昨今のG7広島サミットも、各首脳の原爆資料館視察は非公開でしたからね。

戦後から今は、78年。やはりまだ日本は敗戦国なのかな、、なんて。

デズモンド・ドスの救い出した人数は、75人。

武器を持たなかった兵士としてデズモンド・ドスは、名誉勲章を授与。

一方で、同じく武器を持つことの無い民間人は、罪なく戦禍に巻き込まれて亡くなったんだなぁって。勲章どころではありません。

名もなき人として、戦争の犠牲となった人々…

とても良く作られた映画でしたけど、民衆は戦争で幸せになれることは絶対にありません。

ハクソー・リッジを、私はそのように観ました。

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