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東リベの「兄弟」を語る

分けようかと思ったけど、分けたら書きづらい兄弟達がいるので……分けずに書きます。
あと、書くのは全部の「兄弟」ではないので、そこだけ大目に見てください。

柴兄弟

長男の大寿、長女の柚葉、次男の八戒。
この三人……全員「不器用」「実は真面目」「自分の過ちは自分でケジメをつける」という、めちゃくちゃ似た者同士なのです。

作中では怖い人というイメージがあまりに強過ぎる大寿ですが、本当は「柚葉に庇われてばかりで、自力で立ち向かってこない八戒」と、「それを分かっていて八戒を庇い続ける柚葉」を見て、どうしても許す事が出来なかったのだと思います。
わざわざクリスマスに教会に行くような人です。
救いを求めていただけでなく、「罪の赦し」を求めていた……。
それは、「暴力を振るってしまう自分自身」を誰かに止めてもらう事じゃないでしょうか。
主の祈りを文語体で祈るなんてね、カトリック教会で洗礼を受けた私にも無理な話です。
大寿がどれだけ学び続けてきたのか、あの祈りだけで分かります。
本当は、妹や弟には暴力を振るいたくなかった。
でも幼い自分は暴力を振るってしまった。
その結果、暴力による関係性が出来上がってしまい、自分達だけでは止められなくなった。
そんな感じだと思うのです。

柚葉や八戒に「ごめん」と言った訳ではなさそうですが、少なくとも大寿の思いと柚葉の思いが深い所では重なり合っていた、というのが、聖夜決戦の後の二人のやり取りで分かります。
意外と兄弟喧嘩って、「ごめん」がないまま終わる事が多いんですよね。
多分柚葉も八戒も、大寿が「ごめん」と頭を下げてきた方が、反応に困ると思います。
私だったら困っちゃいます。

ここは本当、不器用な三人のお話って感じでした。
そこに同じくらい不器用なタケミっち、千冬、稀咲さんが関わっていく。
その組み合わせがあまりにおもしろ過ぎるから、半間さんもくっついていく。
私はあのチーム名、個人的にハンマーズ推しです。
ついでに言うと聖夜決戦については、稀咲さんが裏で動いた事が最終的に柴兄弟の闇を解決するに至ったので、稀咲さんが関わってある意味正解だったかもしれませんね。
本来なら仲良くなれるはずだった、とタケミっちが感じたのは、この時の事があったからだと思います。(だから稀咲さんはずっとタケミっちを「ヒーロー」としてきたんですよ、きっと)

ちなみにあの教会のモデル説がある教会は、栃木県にあるみたいです。
知ってる名前の教会が考察サイトで挙げられていたので吃驚しました。
カトリック教会って、大きい聖堂(メイン空間)以外にも、小聖堂というこじんまりした部屋があるんです。
また、主任司祭がいる教会だと、神父様が生活する為の部屋があります。(調理も出来ます)
教会の近くに修道院がある場合は、そこのシスターもミサに参加してくれるんですよ。
私の入信志願式の時は、遠くからわざわざお祝いの為だけに来てくれました。

灰谷兄弟

実は先に柴兄弟を語ったのは、ここを語る上で必要だったからです。(八戒が必要だった)

灰谷兄弟は二人だけで行動するタイプ。
一応「兵隊」と呼べる仲間は多くいますが、チームとしては組んでいない事から、一定の距離は保っていると思います。

そんな灰谷兄弟。
「コンビネーションが厄介」と、八戒に把握されてしまいます。
一回目に対峙した時は、八戒はなすすべもなくボロボロにされてしまいましたが、二回目は三ツ谷さんの到着を待った上で対策を練っていました。(倒れた状態で対策案練るの、八戒凄いよね)

一回目は暴走するアングリーにやられた二人。
この時、先に倒されたのは竜胆でした。
竜胆が油断してアングリーに近付くのを、蘭は必死に止めました。
声を荒げる場面のない蘭が、「竜胆!!」と叫ぶのが印象的でした。
……私、姉だから分かるのです。
仲の良い二人兄弟としてずーっと一緒にいたのなら、兄である蘭にとって、竜胆は自分よりも大切な存在。
竜胆が余計な事を抱えなくて済むようにと、蘭は普段からそう動いたはずです。
「兄ちゃんはいつもいいとこ取り」という竜胆からの評価は、「敵にトドメを刺すのはいつも蘭」という、憎まれ役を自ら引き受ける蘭の弟愛の評価でもあるはず。
……蘭の立場に私がいたら、竜胆がやられた瞬間に思考停止するかもしれません。
糸の切れた絡繰人形みたいに。

二回目も、狙ってやったのか、八戒は弟の竜胆を狙いました。
物理的に引き離された蘭は、三ツ谷さんとタイマンによる対決をする事に。
竜胆のいない状態で戦うだけなら、蘭は三ツ谷さんに負けなかったと思います。
ただ……八戒によって竜胆を引き離された、竜胆もまた攻撃されているという状況。
冷静でいられなかった部分はあると思います。
竜胆は竜胆で、蘭が上手く動いてくれるおかげでのびのび動けていた事を、ここで思い知らされたのではないかと思います。
二人して本来の力を発揮しきれなかった、という可能性が高いです。

二人が六破羅単代のメンバーとして出てきた時は、東卍ほとんどのメンバーが不良から身を引いていた事もあってか、タケミっち達と直接バトルする場面はなかったものの……
容赦なく武器を使う姿を見るに、あの時の蘭は絶好調だったと思います。
少なくとも八戒との二度のバトルに比べたら、灰谷兄弟はこの時めちゃくちゃ調子良かったのではないかと思いますね。
敵の敵は味方みたいな感じで、梵と共同戦線張らないかなーと思いましたが、それはなかった……。(流石灰谷兄弟、マイペース過ぎる)

佐野兄弟(複雑過ぎる)

真一郎、万次郎、エマ、そしてイザナ。
この中で一緒に暮らしているのは真一郎、万次郎、エマの三人だけ。
イザナは、施設で育ったようです。(その施設で鶴蝶と出会ったのかな?)

真一郎は万次郎を救いたい一心で、人としてやったらいかん事をやってしまいます。
その結果、色々あって真一郎は死んでしまいます。
大好きな兄ちゃんを失った万次郎、エマ。
……そして、イザナ。
真一郎の死は、幼かった三人の心を抉ったと思います。

万次郎はエマをも失い、孤独に。
でももう一人の兄であるイザナがいる。
少なくとも万次郎はそう思って、戦いの場に赴いたようです。
……イザナも、万次郎とこんな出会い方をしていなければ、違う形で……それこそ真一郎が施設から引き取るような形で万次郎と出会っていれば……仲良くやれた事でしょう。

イザナにとっては、真一郎が全てだったはず。
存在を知らなかった万次郎や、離れてしまったエマよりも、いつも遊んでくれる真一郎が大きかったはずです。
最初から孤独なら耐えられた、というのは……母親が自分を施設に送り、エマを佐野家にやった所のままだったら耐えられた、という事なのか。
それとも母親もエマも真一郎もいなければ、という事なのか。
もし前者だとしたら、真一郎も苦しい思いをしてしまいそうです。
ただでさえ、自分のせいで万次郎が苦しむ事になったのを、見ていたから。
「イザナの事まで、自分が関わったせいで傷つけた」
もし真一郎がそんな風に責任を感じていたらと思うと、つらくなります。

最終話まで読むと、少なくともイザナが笑顔だったり幸せそうだったりしているのと、真一郎が笑っているのと、マイキーが楽しそうなのと、エマがマジで幸せになってるのとで……
めっちゃ泣きそうになります。
いや、主人公はタケミっちなんですけどね。
「ヒナを救う」と決めたタケミっちの最初の覚悟が、佐野家の事も救うに至ったと思うと……
やっぱり佐野家の幸せそうな所は嬉しくなりますよ。

明司兄弟

長男は正真正銘のクズ男。(アレは……いっぺんシメたくらいでは矯正するのは無理だ)
次男はそのクズ男を切りつけて家出したけど、直向きな姿勢はそのピュアさを表している。(愛が重過ぎるけど)
長女(のはず)は……スポブラつけてるからって、タケミっちにそのスポブラ姿を見せてしまう無防備っぷり。
そう思うと酷いな、この家庭。

いや、推し中の推し(武臣さん)の扱い酷過ぎ。
でもダメだ、アラサー手前としか思えないタイミングで借金取りに追われまくってたんじゃあ。
好きだけど……好きなんだけど……何ならそのクズさが好きなんだけど……!!(リアルに恋愛するとこの手の人しか付き合えないくらい酷いです、私)

何も知らない妹である千咒を、「すぐには起き上がれない」くらいまで一撃で痛めつけた兄、春千夜。
ひたすら責任を取ろうとする千咒を見るうちに、春千夜は自分が責められているように思えたのではないでしょうか。
春千夜は、千咒が何かやらかす度に、武臣さんから怒られていた身ですから。
柴兄弟とは違って、柚葉みたいに末っ子を庇う意思があった訳じゃなかった春千夜は、自分ばかり怒られるのが本当に辛かったでしょう。(あんなん理不尽過ぎるって、武臣さん)
春千夜の反応はごく普通です。
十歳なるかならんかの坊やにとって、妹の行いの責任まで取らされるのは苦痛でしょう。
本人、真面目なだけにね。

一方、何やかんやでそうやって春千夜に庇われて育った千咒。
ピュアなまま育ちました。
ピュア過ぎて、春千夜を悪とは思えなかったのが千咒。
……悪の中に生きる覚悟を決めている春千夜にとって、何より邪魔というか、鬱陶しくてたまらない存在だったかもしれません。
自分が闇の中に身を沈める覚悟を決めているのに、光属性そのものな千咒が立ち向かってきたら……その覚悟、揺らいでしまうかもしれないし。
何より、千咒を見るだけで過去を思い出すのもつらかったのでは。

ここに関しては武臣さんが悪いです。
武臣さんが悪過ぎます。
こういうのがもし「亭主関白」を目指そうとしたら、ただのDV男になってしまうのでは、と思うくらい。(まぁそんな面倒くさそうなのは武臣さんなら目指さないでしょうけど)
推しなのにフォロー出来ないくらい、アレは酷い。
春千夜は利口な子なのに、春千夜にばかり責任を押し付けて……。
あんなん、歪むなって方が無理です。
大寿を見習え、せめて大寿を見習え!(アレは男女差つけませんから。八戒がやらかしたら八戒を、柚葉がやらかしたら柚葉を怒ろうとする辺りはまだマシ)


スマイリーとアングリーも語りたいし、何なら三ツ谷さんとこも語りたいけど、字数が。
というかもう半ば眠くてたまらんので、とりあえず語りたかった灰谷兄弟を語れたという事で、寝ます。

そのうち、寺野サウスも語りたいな。
あんなに登場話数少ないのに語れるキャラ、他の漫画にはいませんから。

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