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『CROSS DRESSER』Vol.1

本作は女装How toメールマガジン『CROSS DRESSER』をリライトしたものです。

自分が両親のどちらにているか?
癖や性格といった話ではなく顔に関して。
よく人は、娘は父親に肖るというが、私が初めて口紅をつけたとき、
鏡のなかに母を見た。鏡に映る私の顔は母そっくりだった。

   ***

How to メイク:ファンデーション〈1〉
メイクは髭剃から始まる。ここ一週間伸ばした髭をゆっくりていねいに剃っていく。伸びた髭はきれいに剃れる。不精のかいあって剃り跡なめらか一毫の剃り残しもない。うーん、マンダム。

メイクにあせりは禁物。一服しながら逸る気持と剃り跡のほてりが鎮まるのを待つ。鼻下の汗がひき、アフターシェーブクリームが肌になじんでくる。最初はコントロールベース。ライムグリーンの下地クリームを塗る。まず青黒い剃り跡に摩り込むように丹念に塗る。顔だけでなくくびの剃り跡(頬骨の下や下顎から喉仏にかけて)にも満遍なく塗り、しかるのち顔全体にむらなく塗る。

このあと普通はファンデーションをつける。コントロールベースは「ファ
ンデーションのつきをよくし、肌のくすみをカバー、明るい肌色を演出す
る」ためのもので「気になる髭の剃り跡をきれいに隠す」などという効能
はない。当然、いくら摩り込めても剃り跡は消えない。

これはファンデーションについてもおなじことで、コントロールベース
だけの下地でいくらファンデーションを塗り重ねても剃り跡は消えない。
それこそ皮膚呼吸が止まるのではないかと危ぶまれるほど厚塗りしても、
いっかな剃り跡は浮き上がってしまう。

結果は見るも無惨。ファンデーションこってりの顔にこてこての剃り跡。
これではおかまのデンスケさんだ。

◆Nightcap〈1〉
なぜ、女装なのか? その理由はわたしにもうまく説明できない。物心ついたときから、いや生まれついたときからそういう気持がどこかにあった。そうとしか言いようがない。今現在、女装をされている方の多くも、おそらくおなじ答を返されるのではないだろうか。

いわゆる女装願望を自覚していたか、と問われればわたしの答はNO。それまでそういう気持があるとは、思ってもみなかった。

女装を始めるには必ず〝きっかけ〟がある。きっかけは人それぞれだが、共通しているのは女性の服飾品を身につけることから始まった。わたしの場合は白いハイヒールであった。

Thanks reading, See you…



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