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『CROSS DRESSER』Vol.6

本作は女装How toメールマガジン『CROSS DRESSER』をリライトしたものです。

◆How to メイク:アイブロウ〈2〉
この目の上のコブならぬ眉を処理するうえで、欠かせないのが普段の手入。まず自前の眉からはみ出ている毛を毛抜きで抜き、眉の輪郭を引き締める。特に上まぶたと眉のあいだに生えている毛は根絶やしにする。
 
次にまゆ用ブラシでブラッシング。毛並みを整え、眉からはみ出ている長い毛をハサミでカット。これだけで顔の印象もメイクの仕上りもずんぶんとちがう。ただし、くれぐれも身だしなみの範囲を逸脱しないように。
 
そしてここからがメイク。まず自前の眉をつぶす。説明が前後するが眉つぶしは前述したファンデーションの工程での処置となる。髭の剃り跡を隠すのと同様、この工程で自前の眉を目立たなくさせる。
 
方法も同じ。スポットカバー、ファンデーションを眉にすり込み、なすり付け、仕上げにフェイスパウダーで粉まみれにする。ファンデーションはパウダータイプと液状のリキッドタイプを併用してもいい。順序はリキッドタイプが先。
 
舞台演劇用に「眉つぶし」というのもあるが、経験則で言えば、これは決して女装向きとは言えない。むしろ「どうらん」のほうが実用的である。どうらんはスポットカバーの代わりにもなる。色がたいへん豊富だが、そのぶん色の選択が難しい。

◆Nightcap〈6〉
間がな隙がな私は鏡の前に立った。友人の引越のさいにもらいうけたそのスタンドミラーは私の全身を映してくれる。しかしそれもしだいに飽きてきた。というより物足りなくなってきた。ハイヒールの履き初めに覚えたあの奮い起つ昂奮はもはやない。私は次なるキワモノを求めていた。

ストッキング。俗に云う網タイツ。ガーターで吊して履くアレ。ただ問題はそれをどこで買い求めるか──入手場所ないしは入手方法。

ハイヒールにしろストッキングにしろ、なべてネックはこれに尽きる、と言っても過言ではない。そしてこの艱難かんなんをひとつひとつクリアし、一歩一歩準備を進めていくその過程こそが、旅行の計画を立てるにもひとしい女装の愉しみであるとったのは、もうすこしあとになってからのことだった。

Thanks reading, See you…



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