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テロワールが生み出す個性の豊かさ

シャンパーニュの世界では、ノンヴィンテージ、ヴィンテージ、プレステージュという三つの異なるランクが存在します。ノンヴィンテージは、異なる年のブドウを混合してつくられ、一貫した味わいを目指しています。ヴィンテージは、特定の年のぶどうのみを使用し、その年の気候やテロワールの特性を反映した独特な味わいを持っています。テロワールとは、気候や降水量、土壌、地形、標高など、ぶどう畑を取り巻く自然環境のことを意味します。プレステージュは、最高品質のぶどうと熟練の製法によって生み出される、各メゾンの頂点に位置するシャンパーニュといえます。

シャンパーニュの王様といわれる「ドン・ペリニヨン」は、ヴィンテージシャンパーニュのみを生産するという独自のポリシーを持ち、不作の年はリリースを見送るという妥協を許さない徹底した品質管理で知られています。

複雑で繊細な「ドン・ペリニヨン」の理解を深めるには、異なるヴィンテージを同時抜栓することが効果的です。変動の激しい気候下で育った2012年の「ドン・ペリニヨン」は、ぶどうがもたらす力強い味わいとコク深い果実味があり、一方安定した気候で成熟した2008年のそれは、洗練された香りと酸味と苦味と甘みのバランスが際立っています。2012年と2008年を比較することで、それぞれの年の気候がヴィンテージの香りや味わいにどのような影響を及ぼしているのかがよくわかります。

このように、垂直テイスティングというアプローチは、プレステージュシャンパーニュの洞察を深めることに役立ちます。この手法は、ヴィンテージごとの「ドン・ペリニヨン」の個性を探求するうえできわめて重要であり、シャンパーニュの複雑さと奥深さをより深く理解することができるのです✨

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