見出し画像

⑤ウイルスはどこからくるのか

たくさんの人にちょっとでも内容が届いたらいいなと思い、一部を文字に起こしました。

(ダースレイダーさんと社会学者・宮台真司さんによる、これからの世界と社会の考察トーク『100分de宮台』)

■ウイルスはどこからくるのか(58:28〜)

そういう視座のレベルで言うと、この騒動によって社会システムは進化する可能性がある。多くの社会学者・人類学者はそう考えている節がある。

昔から言われていることだが、エボラ出血熱やHIVというのは人間が森を切り開いたことによって、猿をめぐる生存の生態系が変わったことが大きい。アマゾンの切り開きも、そこに牧畜ができてお金がもうかるみたいな話だけれども、実際に生態系が変わった結果、それまで「潜在」していたウイルスが社会に放出される可能性がある。

同じように、今、地球温暖化によって、南極、北極の氷が溶けている。実はこれが大問題。氷は私たちの知らない昔の生態系を凍結した状態で保存している。死体もたくさんある。マンモスの死骸には、当時のウイルスがそのままたくさん居る。今の私たちにどういう影響を持つのか全く未知のウイルスが、南極の氷の層の下にある土の中にたくさん埋まっている。

これは地球規模から言うと生態学的なルーティーン。ウイルスは地球のあちこちに埋められている。それを掘り起こしたことによってウイルスは社会に放出される。人間が自分たちのためによかれと思ってやったことに対して復讐されているという見方ができる。

新型コロナの件に関して、一部では、「アメリカと中国どっちがこのウイルスを持ち込んだ?」「どこかの工場で作ったのでは?」という陰謀論もある。しかし「人間が人間に向けて何かやったに違いない」みたいな人間の世界だけに閉じられた視座はしょぼい。人間は地球に生きている。地球の営みの中の一部に過ぎない。


【blog主】「2歳4歳の子育て中の母」であり「保育士」。ふたつの現場での経験を社会学・人類学・哲学・政治学・宗教学・アートなどボーダレスな分野の知から考察。これから子どもたちが大きくなって船を漕ぎ出していく社会に疑問が沢山。同じような疑問や不安を持つ子育て世代と、気付き・学び・疑問などをシェアして考えたい。大阪府にて“子育てハウス”を媒介にした共同体を作りたいと企画中。友達申請・メッセージはこちら → https://lin.ee/qK7pte


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?