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自分の音域が気になる人へ


知っておくと良い自分の音域

ボイトレの基本でもある、音域(vocal range)について。
わたしは「音域が全てとは思ってない派」ですが、自分がどのくらいの音域なのかを把握しておくことはやはり大切なこと。それは曲の中で、自分のセーフ(実用的)な音域なのに、ここ出せないと思って、結果はずす人が圧倒的に多いからです。
これは曲の中のレンジや、メロディの高低差、求められる音色など、さまざまな要因によって起きてくることではあるんですが、何より心理的な部分もあります。そこで自分の音域+曲の最高音、最低音を把握しておけば、まずこの「わからなくて不安で出ない」はなくなりますよね。
ウチのレッスンでも初回には必ず音域をチェックさせてもらいますが、いまは音域チェックアプリなんかもあるので、時々頃合いをみてチェックされては。(超優秀なアプリもありますので、またそちらのことも書きたいと思います)

好きなあの人はどのくらいの音域?

自分の音域が気になる人は他人の音域も気になるかもしれないということで、憧れのあの人はどのくらいの音域を持ってるのかわりとまとまって一覧できるサイト。
音域(レンジ)、最高音、最低音でソートできます。

アクセルローズのフライとマライアのホイッスルはとりあえず人間じゃねえってことで。音域と一言で言っても、最高音と、安定して出せる音(実用音)とは違います。歌で使えるのは実用音域。こちらはその音域であるから、実際にはもっとレンジがある人も多いのでしょう。ただしレコーディングとライブでは違う人もいて、かつてはそういうハッタリも効きましたが、いまはそういうのも動画あげられてバレバレの時代だから、みんな大変。でも意外とあれレンジそんなでもないんだなという人もいます。
あと声質によって、実際の音程より低く聞こえたり、高く聞こえる場合があります。たとえば、声門閉鎖が弱い方のかすれ声は低く聞こえますし、細い声は高く聞こえます。

音域あればあるほどいいけど、とはいえ。

ないところでギリギリでがんばってる人と、余裕があるところで歌っている人とでは後者の方が有利だし、表現の幅も広がるので、やはり音域はあった方がいいと思います。しかし一方で、なきゃないでなんとかなるのも、あったってそんなに意味ないこともあるのも事実。
もちろんモチベーションとしてはありだと思うんですが、高音伸ばせ伸ばせとか、「音域万能」の洗脳は良くないと思うんですよね。
なんでもかんでもは歌えないかもしれないし、お友達の尊敬の眼差し(でもそれギョッとしてるだけかもしれないですよ)を受けることもないかもしれない。それでも「いい歌」を歌う方法はいくらでもあります。
音域も音色も表現もテクニックもなんのためにあるのでしょうか。それはほんとは「いい歌」を歌うため。目的を間違えて、本末転倒にならないようにしたいものです。
例えばジャズだったら、フェイクという「武器」もあるしね。手持ちのふだでいかに面白く見せるのか、そこも腕のみせどころであり、楽しいところでもあり。何よりいまの自分の声を否定しないこと。だってそれってぜんぜん楽しくないですもん。

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