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スパーズ21-22財務レポートを読みたい①

待ちくたびれて、逆にやる気を失ってしまった。。

スパーズの21-22決算が発表されました。クラブ自体の方向性は変わらず、大きなニュースもなかった印象。
ただ、ダニエル・レヴィ会長が、特にここ数年における特異な市場変化について言及しているので、それは読む価値があります。

SJさんが日本語訳してくださっているので、こちらがわかりやすいです。

利益状況などは上記の記事で十分 かつ 細かいところはこれから見ようかなと思うので、概況に触れつつ、私はまさかのBSから見ていきたいと思います。

前提としての、クラブの中期計画とかこれまでの状況については、去年わりと情熱をもって書いたから読んでね。

「持続可能性」とは?

レヴィ会長は、昨今の市場にてクラブが持続可能性を保つのは非常に難しいことを示唆している。

Our aim has always been to combine the financial stability of the Club with remaining competitive on the pitch. We have to do what is right for us and sustainable in the long-term.
The landscape of the Premier League has changed significantly in the last decade. It is understandable that some fans call for more spending, much of which is unsustainable for many clubs. We are competing in a league in which we have seen increased sovereign wealth ownership and consortia finance; and in a league where the spending power is now vested in the hands of a few who dominate and have the ability to distort the market.

https://www.tottenhamhotspur.com/news/2023/february/financial-results-year-end-30-june-2022/

私たちの目標は常に、クラブの財政的安定とピッチ上での競争力の維持を両立させることです。私たちにとって正しい取り組みと、長期的に持続可能なことをしなければなりません。
プレミアリーグの状況はこの10年で大きく変わりました。一部のファンがより多くの選手補強への投資を求めるのは理解できますが、その多くはほとんどのクラブにとって持続不可能なことです。私たちは、政府系ファンドが所有するクラブやコンソーシアム・ファイナンスがオーナーとなったクラブが増加しているリーグで戦っています。また、資金力が、移籍マーケットを支配し歪める力を持つ少数の人々の手に委ねられたリーグで戦っています。

持続可能性とは、よくSDGsに出てくる言葉ですね。皆さんは、そんなもの眉唾であると思いますか?仮に今季優勝できれば、将来的にクラブが潰れても問題ないとも?

クラブは会社であり、従業員がいます。
この先もずっと続くクラブにするために、持続可能性というキーワードは昨今より重要視されていますね。

この項目は、今後のFFPルールによってよりその世界が実現できるようになっていくと望むという結びで終わっておりました。

今後の課題・成長のポイント

また、今回の決算では、今後の課題・成長のポイントとして以下のものが挙げられています。

(1)市場環境(競合)
上で記載した課題です。

(2)市場環境(Brexit)
各種コストの上昇、物流の混乱など。

(3)スタジアムにおける各種イベントの開催
昨年度はコロナ影響により、各種イベントはすべてキャンセルとなりました。それに対して21-22シーズンは、主要なイベントして、ボクシングの世界ヘビー級選手権大会、NFL の試合が 2 回、ラグビーの試合が 2 回、音楽コンサートが 4 回開催されました。

私たちの今後のビジネスモデルにより、当グループはサッカーの収益への依存度を下げることができます。プロサッカークラブの運営が主な活動であることに変わりはありませんが、THSの構築により、私たちのビジネスモデルは新しく多様な収益源に焦点を当てます。

21-22決算書より

(4)クラブパートナーシップの強化
ナイキなど。21-22シーズンは、Getir・Cinchとの新たな協業により、+£12Mの収益増となりました。

(5)チームの成績
より高い順位の獲得および優勝、CL権の獲得など。恒常的な課題です。

BSの状況

BSから見ます。。

■資産

■負債と総資本

ざっくりとした所感なのですが、

資産(assets)で増え続けているのは無形固定資産である。無形固定資産とは、主に選手の移籍金です。
直近3年間で180M→205M→279M(£)の増です。

では、その資金をどこから持ってきているのかというのが、負債(liabilities)です。今回から、'A'普通株とFVTPLという項目が新登場しました。
これは、どちらも夏に発表されたENIC(ジョールイス)からの増資です。年末に行使されたので、今はすべて資本の方に入っていますが、決算時(2022年6月末)にはまだ権利扱いだったので、負債の方に入っているようですね。

つまり昨年度は選手の獲得に多くお金を使い、それを補填もしくは加速させるために増資したのである。本当に当たり前のことですが、それがきちんとBSから読み取れるようになっています。

小ネタ

①モウリーニョの給与負担

去年、これモウリーニョじゃね?って書いたのですが、やっぱりそうだと思われる。21-22シーズンでやっと全部手が切れた感じですね。

②減損
選手の減損:£19M
フアン・フォイスとデレ・アリ。

最終的な利益影響がどうかは置いておいて、除却とか減損って感じ悪くなってしまう傾向にありますね。ドハティの契約解除が感じ悪く思えてしまうとしたら、これと同じ要因。

③環境配慮に関する言及
脱炭素に関する記載で2-3ページありました。企業としての重要性が伺えますね…
みんな基本的にピッチ内の成績や選手の売買・契約に興味が強く、この辺は読み飛ばされる傾向にあると思うので(私もわりと読み飛ばした)、次回はここを細かくまとめたろうかなと思いました。

おわりに

一旦思ったことなどを記載しましたが、利益については②で続きを書きました。


こんなに趣味のブログが続くと思ってなくて、最近は文章書くよりもフリーのひよこ画像を探してくる方が大変なので、いいものがあったら教えてください。

以上です~

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