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【第12回】お悩み相談:好きな仕事が見つかりません(600字)

さまざまなジャンルの文章に、自分なりの赤ペンを入れていく企画です。マガジンの詳細については【はじめに】をお読みください。

第12回のお題は、お悩み相談です。

30代女性。 大学を卒業し、ずっと営業事務の仕事をしてきました。でも、30歳を過ぎて、この先の人生を懸けられるような仕事を見つけたいと思い、3カ月前に仕事を辞めました。いま転職活動中なのですが、自分が何をしたいのか分からず、悩んでいます。まわりの友達は、舞台俳優やフリーランスとして自分の道を進んでいるのに、私には何もないと思ってしまいます。これが最後の転職にしたいと思っているので、余計に焦ってしまって就職活動が全然進みません。 子供の頃から漫画や工作が好きだったので、そんな仕事もいいなと思うのですが、具体的にどう仕事にできるのか考えつきません。Webデザインにも興味があり、学校に通ってみたのですが、卒業後に受けた入社試験に落ちてしまいました。 天職といえるような仕事は、どうやったら見つかるでしょうか?

これは、読売新聞で連載されている「人生案内」を参考にして作ってみました。毎回違う専門家が回答をしていて、読売新聞の中で、私が1面コラムの「編集手帳」の次に好きなコーナーです。

有料会員限定のようですが、読売新聞オンラインでも見ることができます。
https://www.yomiuri.co.jp/jinsei/

さて、30代で仕事を辞めてしまった女性。自分の好きなことが見つからない、というお悩みです。個人的には、会社を辞めて3カ月も食べていけることがすごいです。今、仕事がゼロになってしまったら、私は1カ月でも厳しいかも……汗。

これ、実は私が実際に相談を受けた内容なのですが、「好きなことが見つからない」という悩みは、意外と多いようです。「書く」ことを仕事にできた私は幸せだと思いつつ、こういう悩みにどう答えたらいいのか、正直悩んでしまいます。

そこで、みんなに聞いてしまえ!と文章教室のテーマにしてみました(笑)。

文章に入る前に、このお悩みについて、経営者や人事担当を含む、まわりの知り合いにアドバイスを求めてみましたので、まずはそれを紹介してみます。

「Webデザイナーの入社試験に落ちたとあるけど、未経験者は30社は落ちる覚悟で。日々、デザインの勉強をどれくらいしてますか?と聞きたい。エージェント(人材紹介会社)に相談してみるのはどうですか。 性格分析などをしてくれて、どこか最適な会社を紹介してくれるのでは」
「採用する側からしたら、にわか仕込みの資格で面接に来ても採用しない。就けても収入は未経験者と変わらない。それでもプロを目指すなら収入は気にしないでいいような仕事の仕方をする。舞台俳優もフリーランスもそれまでの経験値で食べていけているのだから、その方々と比べない。自分が一番自信のある仕事は営業事務であれば、それを生かせる仕事を探したらどうか。
自分がしてきた仕事内容を聞き出して分解してみよう。ハワイとかASEANとかで日本人が出来る仕事をするのもいいかな。」
「工作が好きだったら。歯医者になるのはどうか? ちょっと飛びすぎか^^;」
「その年齢で3ヶ月も仕事しないで過ごせるくらいお金があるなら、思い切って海外留学してみては?」
「無理やり好きなことを作って仕事にしなくても、一番自分が高収入にしやすい技を仕事にすればいいだけだと思うんだけど。営業事務で収入得られるなら、営業事務のプロを目指せばいいのでは」
「すぐに仕事探して、仕事しながら、やりたい事見つければいい、見つける前に辞めちゃダメだ。いっそのこと、収入だけ見て仕事決めたらどうか」


なるほど。私も、「収入をメインで考えて、とにかく働きながらやりたいことを探す」は賛成です。

さて、本題の文章教室に移りましょう。
この文章教室に毎回果敢にチャレンジして、メキメキ腕を上げているIさんの文章です。

自分が心から『天職』と思い、続けられたら、それが『天職』です。 自分に適しているかは、あまり関係がありません。 『就職』も必須ではありません。 仮にWebデザイナーであれば、まず、個人で営業して仕事を受注してみましょう。 サンプルを作り、Webページがない、もしくは、ダサイ店舗や会社を訪問し交渉しましょう。 初めは格安もしくは無料で提供する代わりに、『実績として』次回の営業に生かすとか『納品後の修正からは都度お金を頂く』とか『維持、管理、アクセス解析で毎月いくらかの保守費用を貰う』とか段階的に単価を上げ、定期収入が得られる仕組み作りをすればよいと思います。 『なるほど』と思えたなら、天職(Webデザイナー)と何かの兼業で始めてみればよいと思います。始めないのが一番の失敗です。 『大変だな』と思ったら、自分に適しているものは何かアドバイスを受け、譲れない条件を加味して転職するのがオススメです。 周りの友人をみて羨ましく見えてしまう気持ちは、本当にわかります。ですが、『天職』に就くと言うのは『自分で生きていく』覚悟も同時に問われるように思います。 納得できる仕事が見つかるとよいですね。

少しだけ、赤ペンを入れてみました。

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