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ジャンパオロミランのビルドアップパターンを列挙

ジャンパオロ流のサッカーを理解するための手段の1つとして、第1節ウディネーゼ戦、第2節ブレシア戦で見られたビルドアップパターンを類型化し列挙してみた。じゃんぱおろのさっかーをすべてりかいした(小2)


パターン1 - トップがレイオフのパターン1

IHがSBの位置に降り、SBがワイドで少し高めの位置を取る。スペースができたハーフスペース(以下HS)に、トップがレイオフしてくる。レイオフしてきたトップにボールが出る。

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ウディネーゼ戦の左サイドではよく見られたカタチ。ただ全然、ピョンテクに収まらなかったので全然効果的ではなかった。ウディネーゼ戦では、右サイドでは全然見られなかったが、ブレシア戦では何度か見られた。


パターン2 - トップがレイオフのパターン2

IHがワイドに開き、空いたHSでレイオフしてくるトップにSBからボールが供給される。パターン1の場合と比較してIHとSBの位置関係が逆になる。この場合もワイドに開いているIHにボールが出ることもある。

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パターン1と構造的には同じ。空いたHSにトップが降りてくる。ウディネーゼ戦でも、ブレシア戦でも両サイドでよく見られたカタチ。トップ下が降りてくる場合もある。


パターン 3 - SBからワイドに開いているIHへ

SBからワイドに開いたIHにボールが供給される。パターン2であったトップのレイオフを伴う場合、伴わない場合どちらもある。

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パターン1と2のカタチのなり損ねな印象を受ける。実際、このカタチになっても結局攻撃を作り直すカタチになることが多い。縦に素早くボールが入らなければ、あまり効果的な局面ができるわけではないからか。



パターン 4 - SBからワイドでレイオフしてくるトップに

トップがワイドの位置でレイオフしてくる。そこにSBからボールが供給される。ブレシア戦で、主にスソが多用していた。

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ブレシア戦で頻出したカタチ。最大の突破力を持つスソがやり慣れたパターンをさせるために生まれたのだろうか。スソがHSのIHに落として、裏を狙いそこにボールが出るパターンにつながることが多かった。


パターン 5 - SBからワイド裏へのボールの供給

トップがワイドの位置でレイオフしてくる。レイオフしたことで空いたスペースに、IHが走り込み(まれにトップ下)が走り込み、そこにSBからボールが供給される。ブレシア戦の右サイドでよくあったカタチ。

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これもスソを生かすために生まれたカタチ。と言っても、パターン4に同じでリーノ時代によく見たカタチである。ただ、スソが2トップのポジションにカスティジェホが入っていたり、関連する選手の動きはリーノ時代よりは整備されていた印象は受ける。




パターン 6 - SBからワイドの裏にロングボール

ワイドでDFラインの裏にトップが抜け出し、そこにSBやCBからボールが供給される。両サイドで見られたカタチ。

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シンプルに高いワイドのDFの裏の位置に向けてボールが出るパターン。



パターン 7 - GK/DF間へのロングボール

相手のDFとGKのライン間に向けてロングボールが供給されるカタチ。両トップでブレシア戦でも、ウディネーゼ戦でも見られた。

相手GKとDFラインの間にロングボールが出るパターン。ウディネーゼ戦でもブレシア戦でもよく見られた。第1節の1分台から出ていたプレーで、確認した昨シーズンのサンプドリアでも見たカタチなので、意図はしっかりあるのだろう。ラインを押し下げるくらいしか思い浮かばないが、今後の試合で理解を深めたい。パターン6と似ているのでこちらも今後の試合で理解を深めたい。




パターン 8 - ミドルゾーンHSへのロングボール

GKやCB/SBから苦し紛れの場合も含めロングボールはハーフスペースのトップから少し下の位置に蹴られることが多かった。ピョンテクがすらして、パケタのゴールポストを叩くシュートはこのカタチから生まれた。加えて、ブレシア戦後半15分このカタチがなぜか多かった。

パターン6/7と違い、苦し紛れだったりする場合にはこちらの方が多かった印象がある。あくまで印象だが。IHとトップの位置する中間くらいの高さのHSによく蹴り込んでいる印象。ブレシア戦の後半15分間くらいによく見られたカタチ。ブレシア戦の試合終盤にこのカタチからパケタのポストを叩くシュートが生まれた。




パターン 9 - IHからアイソレートな状態の逆サイワイドへのサイドチェンジ

あるサイドの低い位置でオーバーロード状態になった際に、逆サイドのワイドの高い位置で貼っている選手に向けてサイドチェンジの大きなボールが出るパターン。多くはないものの両サイドで見られた。


まとめ

パターン1とパターン2は、ショートパスで繋ぐ場合の王道のカタチであると思える。密集した状態から、ポジションをずらしスペースとパスコースを作っているし、縦に早く攻撃しチャンスを作ろうとしている。パターン3は1と2のなりそこね?な印象を受ける。パターン4と5は、スソを生かすためにブレシア戦で試されたカタチだと思われる。パターン6,7,8は相手のラインを下げさせたりなど、パターン1,2を補うためのロングボールを使うカタチであると思われる。パターン9はアイソレートな状態の逆サイドのワイドに貼っている選手に一気にサイドチェンジする一般によく見るパターン。


今回は、ビルドアップに注目してまとめた。今後も、433になると言われているフォメの中でいかにジャンパオロらしさを出してくるのかを見ていきたいし、もちろん守備面に関しても理解を含め記事にしていきたいと思う。

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