担当ナッシーは、普段は、ぽやや～んとしているタイプ。宿泊予定のホテルが市内からあまりに離れていて、調べてもわからなくて何処にあるのか聞いても「わかんない。わかったら教えて」という始末。後にも先にも、担当ナッシーがフルパワーで働いたのを見たのは、この事件のときだけ。

とりあえず、ツアー初日のライン川クルーズはできないので、次の宿泊先のハイデルベルクからツアー・スタート。

「サベナを待っていたら、いつドイツに着けるかわからないからルフト(ハンザ)をとったよ。すぎまるは朝一番に空港に行ってエンドース(振り替え手続き)して! 　フランクフルトについたら、バスでハイデルベルクまで直行!」

ルフトハンザのフランクフルト到着は、午後2時くらい。夕方には、ハイデルベルクに着けるな…と計算し、夏時間なのでまだ外は明るいなと、すぎまるコンピューター。

「ナッシー、明日の夕食はキャンセルしないで!」

「おお、そうだな。お客様には迷惑かけちゃったし、あしたのツアー内容ぶんの返金はするけど、夕食はつけとくか!」