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落ち込んだりもするけれど、たけのこを掘ったりしながら元気に過ごしています|2024.穀雨・霜止出苗

■ 霜止出苗(しもやんでなえいづる)

倉敷移住前から児島にある大好きなお宿 DENIM HOSTEL float に遊びに行ったら、これまた移住前から仲良くしてもらっているスタッフのひとりから 

「まりちゃん、倉敷に来てどれくらい経ったんだっけ」

と尋ねられた。

あいかわらずこの景色が好き

それで改めて指折り数えてみると、もう5か月。

いつまでも移住してきたばかりのような気がしていたけれども、なんだかんだ言って「半年を迎えようとしています」と答えるようになってしまった。月日が流れていくのはあっという間だ。

このGWからはじまったというラザニアプレートを食べに行ってきたのです

基本的には楽観的で能天気がウリのわたしだけれども、ただの旅行ではない「暮らし」を営むようになってみて、思うようにいかないことだって出てきた。

この5か月の落ち込みポイントは

・用水路に落ちたこと
→痛かった。やっと傷が癒えてきた。自転車はまだ変な音を鳴らしているので自転車屋さんに行かなきゃな。
・自宅のオートロックに締め出される
→しかも2回。鍵を持って家を出てくれワタシ。警備会社に連絡して開けてもらった。2回目は仲の良い人に合鍵を預けていたので持ってきてもらった。他力本願が過ぎる。
・夜道の住宅地で迷子になる
→これはもう、半泣きでGoogleマップ見ながら抜け出した。夜道に新しい道は通らない。絶対。
・経理の資料をそろえられない
→前職から事務室に迷惑をかけまくっていたので、今回も市役所の職員さんに泣きついた。呆れながらフォローしてもらった。もう市役所の方に足を向けて寝られない。
・お耳のことを知ってて口元を隠したり話についていけないような喋り方をしたりする人が近くにいること
→そんな中高生みたいな嫌がらせする人いるの!?と、びっくりしている。こんなにお耳について発信するタイプの人だけれども、いざ目の前の人に伝えたいと思ってもらえかったり理解してもらえなかったりするととズーンとなる。いいオトナだからわざとって分かるぶん悲しい。でも、まったく関わらないでいられる相手じゃないから難しい。

普段はどれも「そんなことあったっけ」くらいで流せるのに、出先で自転車のカギをなくして帰れなくなったタイミングで全部を思い出してポロポロ泣きそうになったりする日もあって。(ちなみに、通りがかりのおじさんが一緒に鍵を探してくれて無事に道端で発見!なくしてから2時間も経っていたから諦めかけていたけれども、無事に見つかって本当によかった。)

どれも別に倉敷じゃなくたって遭遇するようなわたしのポンコツさゆえの落ち込みポイントなんだけれども、ぷかぷかと浮いてみたりズーンと沈んでみたりまた浮き上がってきたり……そういうことを繰り返すことが「生活」なのかもしれないな、なんてことをふと。

岡山で生まれ育った人を連れていったら「こんな素敵なところがあるなんて!」と
喜んでもらえた日。
移住者の勧める倉敷も、悪くないでしょう?

そういう意味で、倉敷での生活は瀬戸内海の凪のように穏やかな日々で。東京のようなインプットの荒波に揉まれることはないけれども、人々に囲まれながら生きている。まるで、凪をたゆたいながら、沈んだり浮いたり泳いだりするように。

わたし、ジブリアニメが好きで。特に魔女の宅急便が好きなんだけれども、この作品のキャッチコピーが「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」でして。倉敷市の地域おこし協力隊を卒業するときに(今のところあと2年半後の予定)胸を張って「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」って言える日々を暮らしていけたらいいなぁと思いながら、倉敷移住半年を迎えようとしている今日この頃。

【穀雨】天からの贈り物でもある恵みの雨が、しっとりと降り注いでいる頃
初侯:葭始生(あしはじめてしょうず) 4月19日~4月24日
次侯:霜止出苗(しもやんでなえいづる)4月25日~4月29日
末侯:牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日~5月4日

■ たけのこ掘りパーティを真備町で

わたしが地域おこし協力隊をしている倉敷市には、2024年4月時点で10人近い隊員が活動をしている。

倉敷市も広い街なので、活動地域やミッションは人それぞれ。ちなみにわたしは、倉敷市全域を活動範囲としていて移住定住につながるような情報発信をすることがミッション。

普段はそれぞれに活動をしているけれども、月に一回程度「交流会」という名のもとに集まって美味しいごはんを食べたり情報交換をしたりしていて。

交流会後の集合写真!

そのなかに、真備町でたけのこを使ったプロダクトに携わっている隊員がいて、4月はみんなでたけのこ掘りをすることになった。

前職のろう学校、特に幼稚部担任時代は子どもたちの言語獲得のために季節のイベントを全力で体験できる指導を心がけていたので、春にはヨモギ摘みに行ってお団子を作り、夏には流し素麺をして、秋には芋ほりを(もちろん春に苗を植えて毎週水やりをしました)、冬にはクリスマスオーナメントを作ってサンタさんを待つ。そんな生活をしていたけれども。たけのこ掘りは、わたしも初体験。

今回は、写真とともにたけのこ掘りの思い出を紹介します。

井原鉄道に乗って吉備真備駅へ。
実は、初乗車でした。
水島臨海鉄道も井原鉄道も
倉敷のローカル線は高架を走るものが多くて景色を眺めるのが楽しい
今年は、真備町全域でたけのこが不作らしい。
けれども、この日のために協力隊の仲間がたけのこを探していてくれました。
保育の下準備みたい。ありがとう。
実際に掘っているところを見せてもらう
えいやっと根っこを切るんだって
りっぱなたけのこが出てきた
今年は不作なので、取りすぎないように
といいつつお土産ももらいました。
この日はみんなでBBQをしました
掘ったたけのこは洗って
バター焼きと素揚げにして食べました
水煮も用意してくれていて、お刺身も食べました
至れり尽くせり。
子どもたちにやっていたようなことをいざ自分がやってもらうって、ものすごく嬉しい。
協力隊OBにはキャンプのプロもいました。
本格的過ぎるBBQ、最高。
たけのこって、剥いても剥いても皮だから
想像以上に可食部が小さくてびっくりする。

たけのこ掘りのプロ、BBQのプロが集まって、なんだか本格的なたけのこ体験だった。それぞれが自分の「強み」をもっている地域おこし協力隊たちのコミュニティ、とってもおもしろい。

わたしもそろそろ写真を撮ったり文章を書いたりする日々に慣れてきたので、お耳の子と、手話のことをもっともっと周りにおもしろがってもらえるような活動にも手を広げていきたい。

もちろんそれはわたし自身の生きやすさに繋がるだろうし、倉敷で暮らしている・これから倉敷で暮らしてみたいお耳の仲間たちが、ひいてはいろんな背景をもった人たちが「倉敷でなら暮らしていけるな」と思える素地になるはずだから。



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