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米国でキノコがアツイ!機能性キノコと幻覚キノコ

米国でキノコ(マッシュルーム)がアツイ!
ヘンプ製品のメーカーもこぞって乗り出している次のビジネスがキノコです。日本でキノコと言えば、椎茸や舞茸といった食用キノコや、かつては日本でも合法ドラッグとして流通していたマジックマッシュルームあたりを思い浮かべるだろうか?

米国では、キノコは大きく分けると、健康食品として使われる場合の、Adaptogenic mushroom(アダプトゲンキノコ)、Functional mushroom(機能性キノコ)と、幻覚作用があるPsychedelic mushroom(サイケデリックキノコ)に分けることができます。

機能性キノコ

Adaptogenic mushroom(アダプトゲンキノコ)、Functional mushroom(機能性キノコ)と呼ばれるキノコには、レイシ、チャガ(カバノアナタケ)、コーディセプス(冬虫夏草)、ライオンズメーン(ヤマブシタケ)、ターキーテイル(カワラタケ)などがあります。
これらのキノコには、アダプトゲン効果、つまりストレス下において心身を守る適応力を高める働きがあるとされています。古来より中医学、アーユルヴェーダ、漢方で使用されてきた歴史がありますが、近年ではドリンクに混ぜたり、機能性グミとして利用されています。

機能性キノコの働き

機能性キノコには、下記のような働きが期待されます。

  • エナジーブースター

  • 免疫機能を高める

  • 気分を穏やかにする

  • 脳機能を向上させる

特に、近年の業界の流行りは、「脳機能を向上させる」製品。Nootropics mushroom(脳機能向上キノコ)と呼ばれ、いわゆるスマートドラッグ、頭が良くなるキノコなどとも言われます。レイシ、チャガ(カバノアナタケ)、コーディセプス(冬虫夏草)、ライオンズメーン(ヤマブシタケ)、マイタケなどが使用されてます。

レイシ

個人的に、朝のコーヒーにライオンズメーンやチャガパウダーを入れて飲むのが好きです。マッシュルームコーヒーは、すでにいくつも商品化されて販売されていますが、自分で好きなキノコのパウダーを加えるのは、カクテルを作るような感覚で楽しいです。

幻覚キノコ

幻覚キノコというと、なんだかとんてもなく危険な感じがしますが、何らかの精神作用があるキノコは、Psychedelic mushroom(サイケデリックキノコ)と呼ばれています。
有名なものとしては、マジックマッシュルームがあります。

マジックマッシュルームとは?

マジックマッシュルームは、セロトニンに類似したインドールアルカロイドのシロシビンを含有するキノコの俗称で、200種以上が世界に存在するようです。
シロシビンは、体内で加水分解されシロシンという幻覚作用を持つ物質に変わります。

日本では、平安時代から食べると酩酊するキノコとして知られており、主に視覚的な幻覚や多幸感が現れます。

シロシビンの法規制

日本でのシロシンおよびシロシビンを含有するキノコの位置づけは、2002年に麻薬指定されたことから、栽培も所持も使用も違法です。

米国は1970年に連邦法でスケジュールIの規制薬物に指定されました。
2019年からシロシビンの非犯罪化のムーブメントが始まり、2019年5月にコロラド州デンバーでシロシビンの使用が非犯罪化されました。
非犯罪化ですので、使用は違法ですが刑事罰には科せられないということです。法的には現在も違法です。
コロラド州に続き、カルフォルニア州オークランド、サンタクルーズが非犯罪化、2020年11月にワシントンD.C.、2021年10月にワシントン州シアトルが非犯罪化となりました。

このように、米国ではシロシビンの合法化へのムーブメントが変化しつつあります。

シロシビン非合法化された州

図:Scientific American - Restrictions on Psilocybin ‘Magic Mushrooms’ Are Easing as Research Ramps Up

シロシビンが注目されている理由

小規模な臨床試験において、合成シロシビン投与が通常従来の抗うつ薬に反応しない重度のうつ病患者に、劇的かつ持続的な変化をもたらすことを示しています。本試験では、専門家の立会の下、シロシビン1mg、10mg、25mgのいずれかを12週間、単回投与しています。結果は、25mgを摂取したグループで、最もうつ症状の軽減がみられました。
ちなみに25mgシロシビンは、乾燥キノコ2~3グラム相当で、中~高用量と考えられます。
頭痛、吐き気、めまいなどの副作用や、自殺願望はどの摂取量のグループにも見られましたが、重度のうつ病にみられるものであり、シロシビン摂取によって悪化したものではないとされています。

シロシビンやLSDは、セロトニンと同じ受容体を介して脳に入ります。セロトニンは、睡眠や性欲などの体の機能、および満足感、幸福感、楽観的な心理状態などを制御する快楽ホルモンです。
うつ病や不安症の人々、また心的外傷後ストレス障害、群発頭痛、拒食症、喫煙中毒、薬物乱用の人々もセロトニンの低いレベルを抱えています。治療は一般的に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)によって行われ、これは脳細胞が利用可能なセロトニンの量を増やします。しかし、専門家によると、薬が効果を示す場合でも、改善には数週間かかることがあります。

一方で、シロシビンやLSDなどの幻覚剤では、脳の神経細胞の結合性が高まり、神経伝達物質が活発になることが示唆されています。
「古典的な幻覚剤について最も興味深いことの一つは、これらが脳のシステムの同期や連動に劇的な影響を与えることです。」と、ジョンズ・ホプキンス・メディシンの幻覚剤と意識の専門家であるマシュー・ジョンソン教授は語っています。
ジョンズ・ホプキンス大学では、シロシビンを医療への利用を研究しています。

シロシビンの研究:
https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03775200
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6007659/


シロシビンのマイクロドージング

シロシビン、LSD、アヤワスカなどの幻覚剤の幻覚作用が生じる摂取量よりも、極めて少量の摂取量を定期的に使用しすることにより、幸福感を高めたり、精神的な苦痛を軽減したりする方法を「マイクロドージング」と言います。米国ではかなり認知度が上がっています。
乾燥キノコ0.1~0.5グラムを1週間のうち1~4回摂取を数週間継続するのが一般的なようです。
とは言え、幻覚剤のマイクロドージングの信ぴょう性はまだ明確ではなく、プラセボ効果を覆すデータはまだありません。

参考:
https://www.cnn.com/2022/06/11/health/psilocybin-brain-changes-life-itself-wellness-scn/index.html
https://www.oregon.gov/oha/PH/PREVENTIONWELLNESS/Documents/Psilocybin%20Microdosing_wn2022.01.20.pdf


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