コンサートの後で

ピアノの響きを浴びて
細胞ひとつひとつ
覚醒する

古風な雰囲気のピアノが
生き物のようだった
ともみちくんが奏でることで
息を吹き返し歌う
古代恐竜のよう
幻想動物?

うつくしさだけではない
やさしくうたい
かなしくうたう
消え入りそうな声
地響きのような叫び
よろこび 苦しみ

真正面から浴びてわたしはそこにいる
こころよい金縛り

かなでている彼は
ふとときおり
痛みをこらえるような表情
深いため息のような
静寂

消えてしまう
すべて
消えてしまうからこそ
ギリギリと生は脈打つ

しばらくはすべて
空っぽにして
空っぽになりたい

深く呼吸して
永遠を味わいたい
そんな
不可能を夢見てる

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