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41.ほしとんで

すごい面白い漫画だった!!!!もっともっと広まって欲しい漫画だった!この作者のかた、骸骨のイラストで本屋の店員エッセイ漫画を描いていてそちらの方は読んでいたんですが、ストーリーものもこんなに面白いとは!!!

内容は、主人公流星が大学で俳句ゼミに入り同じゼミ生と一緒に4年間俳句を作っていく内容なんだけど、俳句って普段から慣れ親しんでいないと知らない、聞いたことがない単語が連なり、『分かるけど?単語の意味はわかるけど?どんな情景か全然わからない…』ということになるんだけど、漫画だとそれを絵として情景が伝わるからすごいわかりやすい。

分かりやすいことが全てじゃないけど、それでも俳句の面白さを全然知らない人に伝えるにはとてもよい漫画じゃないか。

これ読んだあとに、TBS人気バラエティー『プレバト!』での俳句の才能査定ランキング観ると解像度がグッとあがる。俳句に対してもっと興味が湧くし、やってみたくなる。

芸術漫画といえば私のなかではハチミツとクローバーで、そこでははぐちゃんや森田という天才が創作に対しての苦悩や孤独が描かれていたけど、ほしとんでのゼミ生には天才はいなく、みんな同じように俳句初心者でみんなでゆるく仲良く俳句を覚えて、俳句をうたっていくんですよね。そこも読みやすい。

メタモルフォーゼの縁側もそうだけど、創ることにそこまで気負ってなくていいよね。もちろん天才の苦悩を描いたものも好きだけど、凡人なりに芸術を愛する漫画も好き。

キャラの会話もいい。
絵画でも写真でも俳句でも見たもの、感じたもの、聞いたものを、もう1回再構築して表現するから『あの景色はあの人からはこう見えていたのか』ていう感動もあるし、こうやって表現すれば良かったのかっていう他の作者に対する悔しさも出てくるよね。

この句…「俺もそれ言おうと思っていた」というかあの光景で俳句ができないか考えたけど
全然つくれなかった
だから短冊が回ってきて清記したときからこの句のことしか考えられなくなって…ショックで好きになりかけました           
                       ー2巻p114.p115ー


ここら辺のセリフとか!!私も過去にA×Bの最高なストーリーは脳内になんとなくできているのに、うまくコマ割り、台詞、絵が追いつかない。なぜ?そんなことしてたら神絵師が私が考えていた最高のA×BのストーリをTwitterにあげていた。「私だってこれ描こうとしていた!」でも描けなかった…という経験がグワっと思い出したぜ。創作は愛とも憎悪とも向き合わないといけない。

なので、主人公の流星がめちゃくちゃ俳句の才能を開花させるってわけでもなく、本当みんなでゆる〜と鎌倉旅して、俳句して、お茶会して俳句してゼミ集つくる大学ライフを送っているんだよね。羨ましい!!

良い漫画に出会えて良かったなー


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