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想い出のあの日にもう一度出逢えた場所〜二葉フードセンター〜

音楽家鈴木未知子の住む、東京都目黒区は武蔵小山にある、小さな商店街、平和通り商店街あたりはその昔「月光町」というステキな町名でした。
戦後の混乱の中、闇市としていち早く復興し、多くの人で賑わい、高度経済成長を支えました。その後、目黒通りの大型スーパーや、駅前のパルム商店街などで人の流れは一気に移り行き、かつての面影はないけれども、今も残る温かな日常に惹かれ、1年半前に私は引っ越してきました。

その商店街の中にある「双葉フードセンター」は今も残る昭和の香り。
その品質とリーズナブルな価格、そして人懐っこい温かな商人たちの、威勢のいい掛け声。街の人みんなが大好きな場所。
来年2月に、83年の幕を閉じることとなりました。その風景を残したく、私の新しいミュージックビデオのロケ地として収録させて頂きました。

そんな中ふと思い出したことがあったので、書き残してみました。

おばあちゃんとの想い出


私の実家の近くに、その昔小さなスーパーがありました。生鮮食品が買えるのはその一軒だけで、
目の見えないおばあちゃんと手を繋いで、
スーパーに出掛けるのが大好きでした。

スーパーに着くと、目の見えないおばあちゃんに、
お店の人やお客さんが、
「こんな商品だよ」とごく自然に話しかけてくれて
匂いを嗅いだり、手で触ったりして、
おばあちゃんはいつも買い物をしてました。

手作りのお惣菜、新鮮なお魚。派手ではないけど、
必要なものは揃っていて、手作りのポップが可愛かった。いつも笑顔で元気いっぱいのおばちゃん。
「おばちゃん、わたし、高校生になったらココでアルバイトするね!」とレジでいつも言っていた私。

初めてのおつかいもここでした。心配するおばあちゃんに大丈夫だよ!とお金握りしめて行ったけど、
5キロのお米は重くて、いつもの何倍もの時間をかけて帰りました。

私が中学にあがるとき、坂の上に大きなスーパーマーケットが出来て、あっという間にその小さな小さなスーパーは夜逃げしてしまいました。
アルバイトもすることもなく、さよならもいうこともなく。今では全く違う方の、ステキなおうちになっています。
今でもその前を通るたび、なんだか寂しくて、
賑やかな魚屋のおっちゃんの声や、優しかったおばちゃんの笑顔が浮かんだりします。


よそ者が感じる、月光町の魅力


すっかり忘れていたのだけど、昨日目黒のお家の近所の雑貨屋さんのお姉さんとお話ししてて、
「外から来た人の方がこの街の魅力を広めたくなるのよ。昔から住んでる人にとっては当たり前の世界。目黒にも東京にも魅力的な場所はたくさんあるから。でも、どこか田舎に帰ったような、なんともいえない懐かしさがこの街にあるから。だからかもしれないわね。」
とおっしゃっていて、幼い頃のことを思い出しました。

私が初めてこの街に来て、市場に惹かれたのは、おばあちゃんとの想い出のスーパーのあの時間にもう一度会えた気がしたからかもしれません。


古き良き月光町を彩ってきた、市場の廃業のお知らせ。
それでも街は移りゆき、栄える場所は変わっても月と愛だけは変わらない。


今日はメイキング映像をシェアしてみました☆本編はこちら

MV『AY~Moon of Love』上映会&トークショー


本日15:00〜
平和通り商店街kenohiにて⭐️

私たちがこの街にできること~月光町のこれから~ (1)

詳細は以下の記事にも♪
お天気抜群(⋈◍>◡<◍)。✧♡お近くのかたお気軽お越しくださいね♪
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