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魂そのものの微妙な息づかい|2021年10月31日~11月2日の日記

今週は水曜に祝日があるのでとてもうれしい。やはり人が連続して働けるのは2日が精いっぱいだということを確認する。

選別せず書きたいことを書いたらかなり雑多になってしまったここ数日の日記。愛すべき日々よ!


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10月31日 日曜日

ハロウィ~ン。実家犬の写真が供給された。

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4時半までかまどさんたちのスペースを聞いていて、それから日記を書き、寝たのは6時すぎだった。午後になってから起きてコーヒーをいれる。

雨あがりの薄暗い部屋で2時間半くらい仕事をした。平日にさぼったせいで休日をつぶすことになるのはほんとうに愚かなのだけど、やる気が出なかったのだからしかたない。


漫画犬、今週もおもしろかった!

前回の「いいよなぁ」といい今回といい、さいきんの漫画犬はヒーリング効果の高まりがすごい。この世に漫画犬がある幸せよ……


ポストにとどいていた選挙公報をひらいてみたらかわいい子がいた。

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「選挙のめいすいくん」というらしい。るい選挙進協会からとって明推か。単純でよろしい。サイトにはポーズ集が載っていた。かわいいね。

まえの選挙のときには役所で期日前投票をしたが、今回は投票所として指定された小学校の体育館に足を運んだ。その学校は家のすぐ近くにあって毎日子どもの声を聞きながら生活しているけど、とうぜん中に入ったことはなかったのでわくわくした。外から見てもきれいなところだったが中もめちゃくちゃきれいで、あたらしめの公民館みたいだった。ノスタルジアの色はないが、だれもわるくない。


夜は合唱団の先輩と後輩(? 年下の子)とイタリアンを食べた。たのんだものはどれもこれもほんとうにおいしかった! ピザもよかったけど、トリッパが感動的だった。

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ハチノスのトマト煮込み。ハチノスは牛の何番めの胃だったか……とその場では調べなかったが、いま確認したら第二胃らしい。

なんの話をしたっけ、いろんな話をした。ひとの話を聞くのも好きだし、ひとから問いかけられることで自分がなにか答えるのを聞くのも好きだ。


行きの電車のなかで先日買った福永武彦『愛の試み』を読みはじめて、それについてわたしが話していた。

わたしは自分について知りたいと思う。永井均『〈子ども〉のための哲学』と『〈私〉の存在の比類なさ』(の「他者」)を読んで、哲学的な意味での「わたしとはなにか」についてすこしは考えてみたけど、けっきょくのところ「それはわたしの問題ではない」と感じるようになった。わたしはわたしであることに疑問をもったことがない。

わたしは、現にここにある生について、それがなにに依って立っているのかを知りたいと思う。わたしの唯一性、個別性、わたしの “わたし” 性はどこにあるのか。それは与えられるものではなく、身のうちから出るものであったらと願う、そしてそれは愛によって説明できるのではないかと仮定する。だからわたしは愛について知りたいと思う。

移動時間がみじかかったので一篇しか読めなかったが、「初めに」の最初の数行でもうこれはとんでもない本だということがよくわかった。ひとつめの断章「孤独」で、思わず息をもらした。

そういうエゴの活動が活潑に行われ、時間の流れがスムーズに、停滞なく、経験を乗せて運ばれて行く時に、人はその生活に満足して自分の中にある世界の存在を忘れる。この時、内なる世界は単に外界の反射にすぎず、魂そのものの微妙な息づかいは自分自身には聞えてはいない。僕にとって、それを真に生きている状態と呼ぶことは出来ない。

福永武彦『愛の試み』(新潮文庫、p.11)


知らず知らずのうちに池澤夏樹『スティル・ライフ』の冒頭を連想する。並び立つ二本の木。いま読んでいる『氷山の南』にも通じる表現があったな。

 自分がいて、世界がある。
 それぞれがあって、後につながるのではない。
 この二つは最初からセットなのだ。

池澤夏樹『氷山の南』(文春文庫、p.398)


世界のなかに自分をどう位置づけるか、つまりどう生きるか、それについて哲学がヒント(ときには答え)をくれることもあるだろうが、わたしには文学のほうが性にあっている気がする。



帰り道と家についてからは柞刈湯葉『人間たちの話』のつづきを読んだ。食べすぎておなかがはちきれそうだった! あまりに満腹のとき、人生の本質について考えることはできない。

良作ぞろいの短編集だった。湯葉作品は「横浜駅SF」をサイト掲載時にさらっと読んだのと、先日なにかの機会で公開されていた「まず牛を球とします。」を読んだことがあるくらいだったが(あと『SFマガジン』異常論文特集の「裏アカシック・レコード」も読んだか)、『人間たちの話』におさめられた6編もかるく読めてしっかりたのしめた。

いちばんおもしろくて印象にも残ったのは水曜に読んだ「たのしい超監視社会」だったが、作品としていちばん好きなのは「記念日」。ルネ・マグリット〈記念日〉をテーマにしたお話だ。(「あとがき」中の著者自身による解説によれば「SF的でないものを書こう、という余計な配慮」で書かれたものらしいので、わたしはそもそもSFがそこまで好きではないのかもしれない。)

マグリットが好き。この短編の静かな雰囲気はマグリットの絵の温度とよくあっているように感じた。題材となっているアポトーシスにも興味をひかれる。先に収録されている「人間たちの話」となんとなく結びつけて読んでしまうな。

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ブリュッセルのマグリット美術館に足を運んだときに買った図録をぱらぱらとめくってみたが〈記念日〉は載っていなかった。ざんねん。この図録は128ページのごくちいさいものなので作品点数はあまり多くない。〈リスニングルーム〉として知られている ≪ La Chambre d'Écoute ≫ は載っていた。



11月1日 月曜日

めずらしく始業時間から仕事をした(これがめずらしいのはおかしいのだが)。月曜日からまじめにはたらいてえらい。さむかったので、土曜日に買ったレッグウォーマーをさっそく装着した。あたたかくてとてもよい! いい買いものをした。サーキュレーターも出して部屋の空気をまわしていたら、暖房をつけなくてもかなりすごしやすくなった。


ガンジィさんのブロス記事、よかった!

切手もお手紙もかわいい~! かまどさん字うまい~! かまどさんの絵回答いいな~! そしておまけの店長さんの「ロボみくのしんあるある」は笑った。めちゃくちゃわかる。


仕事がたくさんあったので、定時すぎにいったんごはんを食べたあと20時から1時までつづきをした。なんとか終わるめどが立ってよかった。

寝るしたくを終えてからすこしだけ本が読みたいと思い、実家を出るときにもってきたきりいちども使っていなかったベッドサイドランプを出した。

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ひとり暮らしをはじめたのが2017年2月頭だから、ほぼ5年前か。ふつうについてよかった。ずっと段ボールにしまったままだったし、もういらないかな~と思っていたけどこうして使うことがあるとますますものが捨てられなくなる。いつか使うかもしれないし……(といってほんとうに使うし)。



11月2日 火曜日

晴れてあたたかく、すごしやすい日だった。窓をあけていられる時間があると精神が安定する。

このまえ見られなかったねこ、きょうこんなだったんだ。

いいな~、おおきいねことおおきいルンバ。つぎに新宿にいく機会がいつになるかわからないが、そのときにはもう終わってしまっているだろうか。


始業時間ぎりぎりに目がさめた。打刻をしてからもしばらくおふとんにとどまる。午前中はすこし連絡を返すだけにして、午後からはわりとまじめに仕事をした。思ったより時間がかかってしまったが21時前にようやく終わった。つかれた~。きょうはいちにちじゅうねむかった。


週末のせいぞスペシャルナイトを前に、お昼休みに彩雲さんの特集を読んだ。じつはひとつも読んだことがなかった……

オモコロ初投稿のこの記事、おもしろかった! 最初の動画のリアルさ笑う。読みやすくていい記事だ。イベントまでにのこりの記事も読むぞ。


夜は鶏レバーをごま油で炒めて醤油で味つけしたものをたくさん食べた。ふだんだったら21時にごはんをつくることなどできないが(だるいので)、朝のうちに冷凍庫のレバーを冷蔵庫にうつしてあったので、まあ解凍しちゃったしな……と思って料理できた。みくのしんの記事のおかげだ。

(この記事はアボカドに水をやるところがとても好き。あと食べるとこが長すぎておもしろい。)


動画、めちゃくちゃよかった!!!

原宿さん、あまりにもよい…………。「子どもに自分の顔色うかがわせるの一番ダメですから」「言葉で伝えなさい」 そうだねえ、ありがとうねえ、と思った。永田さんの真っ当さもよかった。「宵越しのキレ」、いいことばすぎる。


Kindle版が安くなっていたときに買った和山やま『女の園の星』2巻を読んだ。おもしろくて、誇張じゃなくげらげら笑ってしまった。小林先生の「ペタリスト」、天才の所業。2巻の1話め( “6時間目” )のこのお話もおもしろかった。小林先生……!

絶妙な温度感で笑っちゃうしなんど読んでもあきないし、シンプルに絵がめちゃくちゃ好き。星先生みてるとスタンドカラーのシャツ着たくなるな。小林先生ちゃんとごはん食べてくれ~~~と思ったり、中村先生の人生に幸あれ……と思ったり、たのしくていそがしい。

LINEスタンプあるのか。ほしい………………


2巻発売直後の恐山のツイート、

わかる。


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書きはじめると長くなる日記。あしたはおやすみ!


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