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そこらへんに転がっている好き

私は坂本裕二作品が大好きです。
坂本さんの作品は、日常を会話劇でみせてくれるのですーっと入ってくるというか繰り返しみることで辛い時に自分を救ってくれたりする。
その中でもカルテットが1番に好きで何度もみたくなる作品です。

カルテット知らない方に少し説明すると、偶然出会った男女4人組がカルテットを組み、軽井沢で共同生活を送る大人のラブサスペンス。
ドーナツのように少しかけている人達なんですが、表面上の付き合いではなく深く心で繋がっている、同じ境遇や辛い思いを経験したことがあるからこそ家族のように繋がれるそんな人間ドラマも見どころとなっています。

好きな話、セリフは色々とあるんですが仲でも一番好きなのが第8話。
カルテットの4人、実は互いに好意はあるんですけどそれはすれ違った恋愛
AはBが好きなのに、BはCを好き、そしてDはAが好き。
というような感じ。
切ない恋愛模様が垣間見えます。


私の好きはその辺にごろごろしてるっていうか
ちょっとだけ頑張る時ってあるでしょ
住所をまっすぐ書かなきゃいけないときとか
エスカレーターの下りに乗る時とか
バスを乗り間違えないようにするときとか
白い服きてナポリタン食べる時とか
そういう時にねその人がいつもちょっといるの
いてエプロンかけてくれるの
好きだってことを忘れるくらいの好き

カルテット第8話より、わたらいすずめのセリフ

これは、すずめちゃんが働き先のおじいさんに自分の好きについて話す場面好きだって忘れるくらいの好き
日常を送る中にある小さな幸せという風に私は解釈しました。
自分がちょっと頑張らなきゃいけないときにその人のさりげない優しさや言葉を想い出して頑張られる。
そんなふと思い出した時に偶然のように傍にいるのがすずめちゃんの好き
好きな人と好きな人が幸せになれるように尽力するのですが、そんなすずめちゃんが言ってるこのセリフが切なくもあり、幸せそうでもあり一言では表現できない様子が描かれています。



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