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#3 きみは強し恋せよ乙女 おそるべし恋のチカラ

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恋する乙女は美しい。そして、強い。
そんな美しくも強い、恋する大和なでしこのエピソードを3つ選んでみました。



(3)好きな人にもう一度会いたいから江戸中を焼き払う放火魔【八百屋お七】

260年続いた江戸時代で、火炙りの刑にされた唯一の女性、それが八百屋お七です。

「情炎」高畠華宵


清姫と違って実在した乙女で、記録には「品川で火炙りになった」とだけ残っているんですけど、当時の人たちの噂話に尾ひれがついて、色々と脚色されてお話が出来ました。

こちらも人気なお話なので、それぞれの芸能で少しずつ違うんですけど、ここでは一般的に知られているストーリーをご紹介しますね。

江戸の町では放火はとんでもない重罪でした。

その頃の江戸は、埃っぽくて乾燥していたので火事が起こりやすく、しかも世界一人口が多い都市だったので、木造のお家が密集、一度火がついたらあっと言う間に燃え広がって大規模な被害がでました。

現代のような消火活動ではなく「火消し」と呼ばれる男性たちがやってきて、これ以上燃え広がらないように隣の家を破壊してました。

そういうわけで、江戸では放火は大罪でした。

どうして、八百屋のお七ちゃんが、そんな大罪を犯してしまったのかというと、始まりは1682年12月に起きた大きな火事でした。

お七ちゃんが住んでいた家も焼けてしまったのでお寺に避難しました。
そこで、運命の出会いが待っていたのです。

お寺に住んでいる、とても美しい美少年と出会い、お七ちゃんは一目惚れします。

がしかし! これは決して実らない恋でした。
美少年は寺小姓=住職の彼氏だったのです!!

お七ちゃんがどんなに好きになったところで、決して振り向いてくれない報われない恋。

お七「それでもいい。彼の姿を見るだけで幸せ」

そんな切ない恋に身を焦がすお七ちゃんでしたが、お寺での避難生活は瞬く間に過ぎてしまい、彼には会えなくなってしまいました。

悲しくて苦しくて、思い詰めたお七ちゃんは、

お七「もう一度火事になって、江戸の町が焼けてしまえば、お寺であの方と一緒に暮らせる!」

と思いついて、自宅に放火

我に返ったお七ちゃんは、慌てて人を呼んで火を消したので大事には至りませんでしたが、放火したことがバレてしまい、奉行所(今の警察署)へ連れていかれました。

お七ちゃんは気が利くと評判のいい子だったので、家族も町の人も許してもらえるよう嘆願しましたが、幕府は放火を厳しく取り締まっていたので、簡単にはいきません。

そこで、町奉行(今の裁判官)が助け舟を出します。
お七ちゃんは16歳で、当時としては成人したばかりでしたが、15歳の未成年だったことにして、減刑しようとしたのです。

ところが、お七ちゃんはこの助け舟を拒否します。

お七「いいえ、私は十六歳で成人しています。こんなことをしてしまっても、私はまだあの人が好きです。釈放されてしまったら、あの人に会いたくて、また放火をしてしまうでしょう。いっそのこと、この身を焼いてください」

そうして、お七ちゃんは火炙りの刑にされたのでした。


【まとめ】きみは強し だから恋せよ 大和撫子!

いや~、恋する乙女はおそろしいですね。

最後に能楽からも一つご紹介。

能面と聞いてほとんどの人が思い浮かぶのは、目が細くて優しく微笑んでる女性の面、または、頭に角が二本あって大きく口を開けた般若はんにゃかと思います。

この般若って、女性が嫉妬で鬼になった姿なんですよ。


「小面」若い女性役の能面

これが嫉妬で


「般若」 嫉妬と恨みから鬼と化した女性の面

こうなる。

嫉妬による怒りや悲しみがたまると、それは特別な力になって、女性は鬼に変わるのです。

鬼にもなれるパワーを持った私たち大和撫子が、恋に本気になったら、一体どれだけの力を発揮できるのか。

大和撫子はいつでも鬼になれる力を秘めているのです。


そういうわけで、大和男子の皆様におかれましては、くれぐれも私たち大和撫子を傷つけないようにお願いします!

私たちが鬼にもなれる存在だってことをお忘れなく!

あらあらかしこ(*ˊᗜˋ*)ノシ


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