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所沢環境市民の会 代表挨拶 全文

所沢環境市民の会 設立記念イベントを1月15日(日)に開催し、年明けの忙しい時期にも関わらず約80名の方にご来場いただきました。多数のご出席をいただき、心よりお礼申し上げます。
この度のイベントでは「Think Globally, Act Locally.」というテーマのもと、第一部では記念講演として東北大学東北アジア研究センター・同大学院環境科学研究科教授の明日香壽川様にグローバルな視点からご講演いただき、第二部にて地域で活動していく場としての「所沢環境市民の会」設立総会を開催いたしました。
総会においては、設立宣言、規約と細則案の確認、各グループの発表、運営メンバーについて無事承認いただき、盛会のうちに終了することができました。ご出席の皆様、誠にありがとうございました。

記録として総会で読み上げた代表挨拶をここに記します。


緊張のあまりカンペガン見の代表。
当日のワンピースとジャケットはセカンドハンド(古着)です👍

皆さま改めまして、「所沢環境市民の会」の代表、上田マリノと申します。芸術総合高校の第一期卒業生で今は柳瀬地区で子育てをしながら仕事をしています。
本日は「所沢環境市民の会」設立イベントの1部2部通しでご参加くださいまして本当にありがとうございます。また、本イベントの周知や運営に関わってくださった皆さま、そして素晴らしいご講演をくださいました明日香壽川さまに心よりお礼を申し上げたいと思います。
 
冒頭でも申し上げ重複しますが、会のキーワードは「所沢」「つながり」「カーボンニュートラル」だと思っています。
気候問題の原因と言われている温室効果ガス、特にCO2を減らし、ゼロにすることを目標とし、先ほどご紹介させていただきました「省エネ」「創エネ」「ごみゼロ」「緑と水」「農業」について活動していきますが、
すでに活動している素晴らしい方々とつながること、オンラインとリアルでつながること、自治体や事業者など各セクターとつながることが大切だと思っています。
「忙しい」「体調が悪い」といった様々な事情で「今は行動までできない」という方や、「都合のつく時だけ参加したい」といった方など、まずは情報を得られるようSNSなどを使って情報共有をしたり、アンケートなどで意見やアイデアを言える場づくりを目指したいと考えております。まずはぜひ、つながっていただきたいです。
また「所沢環境市民の会」という名称ではありますが、カーボンニュートラルは一つの地域で成し得ることではありません。周辺地域との交流や情報交換、連携なども視野に入れたいと思っています。
 
さて話は飛びますが、10年以上前私が環境問題について総合的に学びたいと思った時に、所沢でそういう場が見つからず、ネットにも学べるコンテンツもなく彷徨っていました。そんな時、NPO新宿環境活動ネットさんが環境講座への参加を許してくださり、私も環境について学ぶ1歩を踏み出すことができました。
ぜひ「所沢環境市民の会」も、学生や子育て層、子育てやお勤めを終えて何をしようかなと思っている方などの環境アクションの1歩を応援する場でありたいと考えています。
 
1に会員のアクションをサポートし促進する場であることはもちろんですが、2つ目に会員以外も気軽に参加できるしくみ、例えば見学やメール会員などがあったらいいなと思っています。まずはフラっと参加いただき、具体的に何かしたいな、仲間が欲しいなと思ったら入会いただくといった感じです。時に熱のこもった議論もあるかと思いますが、私が「NPO新宿環境活動ネット」さんから学んだ、「いつでも来ていいよ」というようなあたたかい場所にしていけたらいいなと思っています。
 
「NPO新宿環境活動ネット」さんで学んだ後は、エコ検定を受けたり、埼玉県の地球温暖化防止活動推進員に登録しました。また、子どもが生まれるまでは「エコアイドル」という独自の方法で明るく楽しくをモットーに環境問題の啓発活動をしてきました。
そういった中で2015年にご縁をいただき、所沢市さんから市の環境への取り組みをPRする「マチエコ大使」というお役目をいただき、今は名称が「マチエコアンバサダー」となりましたが、現在も微力ながら市と市民の架け橋としてお手伝いをさせていただいております。
2015年から取り組ませていただき感じるのは、所沢市はかなり積極的に環境へ取り組んでいるということです。所沢市は2020年11月にゼロカーボンシティ宣言をしています。キャンドルナイトやフォトコンテスト、最近ではマチエコリーダー養成講座など市民参加のものから内外に向けた様々な施策を行い、SNSなどを活用して情報も沢山出しています。
しかしながら、私の力不足もありますが、市民にうまく伝わらないという課題感がずっとあります。他の市にお住まいの方に、うちの自治体は全く何もしないから所沢市は積極的で羨ましい!と言われたこともあり、行政だけではなく、市民や事業者がもっと動かなければいけないと感じました。そういった思いも、今回この会の立ち上げに関わった理由の一つです。何もわかっていないのではなく、「うまく伝えられてない」という課題がわかっています。きちんと伝わればきっと行動に移るはず、そう信じて、市民部門の情報交流やアクションの場を作っていきます。
 
ところで「3.5%の法則」をご存知でしょうか?
ハーバード大学の研究で、「コミュニティの3.5%が平和的な社会運動に参加することで、社会のシステムが変わる」ということが明らかになり「3.5%の法則」と呼ばれています。
所沢市民34万人全員にカーボンニュートラルな暮らしを意識させようとするのは大変ですが、例えば、所沢市の約167,000世帯の3.5%は5,845世帯ということで、約6,000世帯の意識が変われば、そのあとは自然にカーボンニュートラルな暮らしへの意識が広がっていくことが期待できます。100人の中の3人か4人の意識を変えていくこと、変化を起こすために何をしていくか、当面はこれがポイントだと考えています。
 
最後になりますが、私が思う本会の目標は「早期解散」です。
おいおい、今日がスタートでこれからやろうと言っているのに何を言っているんだという感じかと思いますが、世界も、国も、市も、2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロである「カーボンニュートラル」達成を目指しておりますが、私が感じているところとしましては、「それでは遅い」ということです。
「所沢環境市民の会」の規約も「2050年までに所沢の二酸化炭素排出量実質ゼロを実現することを目的」と書かれていますが、それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する「ティッピングポイント」が、気候危機の分野である日訪れてしまうかもしれないという恐ろしさもあります。永久凍土が次々と融け出す、そして有害な細菌やウイルスが大気中に放出される可能性も言われています。
そういったいつ訪れるかわからないという心配がある中で、カーボンニュートラルな世界の実現は2050年を目標にする必要がありません。娘の世代、それより先に生まれてくる世代のことを思うと、どういった地球を、日本を、所沢を残していくのかと考えた時に、早期に実現し、早期にこの会の必要性がなくなることが、ある意味で目標となるのではと考えています。
気候危機は深刻です。もう止められません。ですが、気温上昇のカーブを緩やかにすることはできます。将来世代に向けて、私たちにできることは、まだ、たくさんあります。小さくても、積み重ねていくことが大切です。
 
そのために足元から行動する場として「所沢環境市民の会」をつくりました。今日が正式なスタートです。ここにいる皆さまの積極的な関わりが、カーボンニュートラルな世界への確実な一歩となりますので、ご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。ありがとうございました。


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