見出し画像

【観劇ログ数珠つなぎ】九十九龍城

ある作品を観たら、次はその脚本家や監督、役者の関わった別の作品を観たみたくなるものである。まるで数珠つなぎのように。
前回:『だからビリーは東京で』

https://note.com/marioshoten/n/n6cf8b590fa5d

【数珠つなぎ経緯】

前回の『だからビリーは東京で』のすぐ後に見に行ったのだが、書くのが遅くなってしまった。舞台というのは不思議なもので、本当に数珠つなぎのように見たい作品が次から次に溢れてくる。一方、見に行かない時期はほとんど見ない(見ろよ)。その”見る”流れの真っただ中に上演されていたのがヨーロッパ企画『九十九龍城』である。劇団員さんも何名か存じ上げているし、映画やYouTube、テレビなどは何度も見たしたことがあるのに、生の舞台はこれが初めてだった。1年前お世話になった本多劇場での観劇。感染対策もばっちり。

フライヤーのデザインから心が躍る。ゲームのような世界観。舞台は香港の九龍城ならぬ、九十九龍城。

当たり前だけど作品ごとに舞台のセットは毎回変わる。でもよく考えるとそれって結構不思議。あの空間に様々な世界が毎回生み出されては壊されるって。それが舞台なんだけど、それが面白いんだけど。あぁ、リアル夢の舞台なんだ…そんなことを上演前にぼんやり思った。

【あらすじ(引用)】

九十九龍城という魔窟で繰り広げられるお話。
以上。

【感想(ネタバレなし)】

エンターテインメントでしたなぁ。
舞台装置もワクワクしたし、紗幕の映像演出もかっこいいし、ドタバタでコミカルな演者さんたちの立ち回りにも惹きつけられた。一人何役もこなすので「あ、あの人今度はあそこにあの役で!」みたいな楽しみ方もあったり。

最初は傍(安全圏)から魔窟である九十九龍城を覗き見している野次馬感覚だったのが、物語が進むにつれて徐々に住人たちとの距離が縮まっていき、終盤には息遣いが聞こえてくるような住んでいるかのような気分になっていた。
それはきっと演者さんたちが楽しんで演じているからだろう。九十九龍城の住人として、貧しい暮らしの中で逞しくシブトク生きるパワー、面倒くさいけれど無くなると寂しい関係性、そんな様子がコメディの中に散りばめられている。そしてラストに向かって徐々に露になる違和感とその回収。壮大だけどちょっと安っぽくて、大まじめだけどめっちゃふざけている。そんな感想を持った。

まだ魔窟は全国各地を回っているようなので、近くに現れることがあれば是非。

【次の作品】

映画『パプリカ』の予定

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!