見出し画像

七夕までの軌跡②~稽古~

この『七夕までの軌跡』シリーズは、来たる7月7日(火)七夕にYouTubeにて生配信するオンラインドラマの制作過程を綴ったものである。

本番:7月7日(火) 20時~
ZooMATSUTAKE GEKIJO Vol.4
「オンライン七夕」


松竹芸能公式YouTubeにて生配信!

今日は実質、全員揃っての初回稽古。最初の30分は顔合わせの時に行った台本の読み合わせを元に、セリフの変更点やキッカケの確認、そして今回の肝になるであろうZoomの操作確認を行った。

稽古2


🎋…脚本と演出について…🎋
台本について、「この流れの方が自然だな」とか「これは無くてもいいセリフだな」と脚本を書いた自分自身が思うこともあるし、他の役者から「これは言いにくい」とか「ここ〇〇ってセリフ入れてもいい?」とか確認されることもある。わたしは自分でも演じるので、脚本の意図が削がれないのであれば役者の心情に沿って、言いやすく変更することを受け入れるタイプだ。

自分の書いたセリフを一言一句違えずに言ってほしいという脚本家もいるし、その時のヒラメキでばんばんセリフを変えていく演出家もいる。今回の場合はわたしが脚本を書いて演出もしているので好き放題できるが(舘澤さんには了解を頂きつつ...)それぞれが違う人であることも多い。演出家による脚本の解釈で当初の脚本のイメージとは全く異なる作品が生まれる可能性だってある。

🎋…間を詰めて!?…🎋
オンラインという(現段階において)特殊な土壌でのお芝居は、「間」ひとつとっても難しい。セリフとセリフの間を詰めてテンポよく話を進めたくても、ネットワーク環境のせいで、相手には遅れて聞こえていたり、聞こえるはずのセリフが聞こえていなかったり、もちろん通信が途絶えてしまったりする可能性がある。その中で「間を詰めて!!」と指示を出しても叶わないのである。結果、「気持ち(セリフを)被せ気味で」という指示になり、あとは神のみぞ知るということになる。

声のボリュームにしてもそう。「大きな声で!」と言っても、こちら側への聞こえ方は出している本人は分からない。


🎋…キッカケセリフ…🎋
「キッカケセリフ」という何か動作を行う上で重要なポイントとなるセリフがある。通常の舞台であれば、照明が変わったり、音響が入ったり、誰かが出てきたりと、何かのキッカケとなるセリフのことである。

オンライン(Zoom)においては、誰かの入退室に関わることが多い。『このセリフで登場してください』ということなのだが、これもまたタイミングを計るのが難しい。さきほどの「間」と同様、キッカケなのに不確定になってしまうからだ。画面上に映っている演者も、誰も登場してこないからといってボーーッと待っているわけにはいかない。それこそ変な「間」が出来る。だがアドリブでセリフを挟むとグダグダになる可能性もある。その瀬戸際で戦っていくしかない。


🎋…稽古の意味…🎋
そんな不確定要素満載の中で、稽古なんて意味があるだろうか。見せられるものができるのだろうか。不安は絶えない。だが、通常の舞台においてもどんなハプニングが起こるか分からない。ハプニングが起きたからと言って一時中止は出来ない。誰かが血を流すようなケガをしたって、声が突然出なくなったって。そうなった時、誰だってパニックを起こす。だけど、稽古を積んで、お芝居が身に染みていたら、その役のままでパニックに対応することができる(はずだ...いや、可能性が高い...はずだ)。ベースのお芝居なくしては、イレギュラーに対応できるはずなんてない。だからたくさん稽古をして、身体に叩き込んで、もしなにかトラブルが起きたとき、どう対処するかの余裕を持っておく必要があるのだ。

理想論かもしれない。実際、わたしが毎回ここまで達した状態でお芝居が出来ているかどうか分からない。たぶん出来てない。だけどその状態に近づけるように、本番までセリフを諳んじ続けよう。

準備は最大の攻撃。


クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!