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【ジェーン・エア】実力派だけで贈る、愛の本質を描いた感動作


「ジェーン・エア」とは

原作はシャーロット・ブロンテの小説。
大英帝国が世界の覇者だったビクトリア朝のイギリスが舞台。

「レ・ミゼラブル」「ナイツ・テイル」「千と千尋の神隠し」の世界的演出家、ジョン・ケアードが自ら脚本を担当したミュージカル「ジェーン・エア」。

1996年カナダ・トロントで初演、
2000年にブロードウェイにてロングラン上演。
日本での上演は2009年、2012年となるが、

今回、梅田芸術劇場と東宝の共同制作により
新演出版として11年ぶりの上演となる。

それを
ミュージカル界を牽引し続ける 井上芳雄と、
伸びやかな歌声でグランドミュージカル引っ張りだこの
屋比久知奈が演じるとあらば!

観ないわけにはまいりません。

生きることは信じ、許すこと

松たか子もジェーンしてた!

なんと、過去には!
松たか子と橋本さとしがジェーンエアしてた!
(2009年 / 2012年)

この年のもまたいいのよ すごく

ステージ上に座席?!

何より驚いたのは「オンステージ席」といって、
ステージ上に座席があったこと。

オンステージ席の方は基本的に黒い服を着用しており、開演前には配布された?のかみんな黒いマスクを付けていた。

ステージの下手と上手にそれぞれ30席ずつくらいの座席があり、開演後はオンステ席部分は暗転するので、気にならないようになっていた。

両サイドに人間いるのです!舞台上!

全体を俯瞰して観るのは観づらそうだけど、
なんてったってお芝居してる演者さんをめちゃめちゃ近くで見られる。
下手したら袖から登場する時、自分の横を通る、みたいな席。
2回目以降の観劇だったら全然ありだなと思う。

新しい試みだなーと思いながら見てたのだけど、
遡ってみたら2009年の松たか子の時も
オンステージ席あった😳衝撃

演者は役者でもあり、裏方でもあり。

さらにおもしろいのが、

ステージ上の壁に飾ってある小道具を
さっと取って使ったり、
ステージ上の壁にかけてあるコートを
さっと羽織って外出のシーンになったり、

と、「舞台裏で衣装変えて登場し直す」
みたいなことが最小限(というかほぼなかった)で、

おおよそのことを舞台上で行っていた。

その時に出番ではない人が、
着替える人のフォローをしていて、
そのフォローも息がぴったりで、
流れるような一連の流れも美しかった。

(たとえば、スポットライトの当たってないところで、
ゆきちゃんが屋比久ちゃんにコート着せてあげて、
別の人が手にバッグ持たせる、みたいな連携プレー)

観たいところがたくさんありすぎて、
目が足りなかった。

物理的な演出は最小限。シーンは光でつくる。

舞台上の小道具は最小限。
(ベッドとテーブルと椅子くらいしかない)

照明の光で、
朝晩それぞれを描くのはもちろん、

窓から差し込む光の形をつくったり、
部屋の形をかたどったりしながら、
室内のシーンだと分からせたり、

光だけで石畳の道をつくったり。

光だけでこんなに表現の幅があるんだ!
と驚き満点でした。

こんな少ない情報量でも
きちんとシーンが浮かぶって、
すごいことだと思うのです。

ミス・サイゴンぶりのゆきちゃん。

ゆきちゃんが出演するというのも観たかった理由のひとつ。
1人で何役もこなしつつ、どの役もはまってました。
安定の歌のうまさも もちろん健在。

ゆきちゃんの歌が聴けるってだけで耳が幸福。

ゆきちゃん〜!

上白石萌音はワキ役がちょうどいい(私は)

わたしは迷うことなく
屋比久ちゃんがジェーンの回にしたので、
上白石萌音がヘレン役。

上白石萌音、「わたし上手いでしょ〜」って
思いながら歌ってる感じに見えて
あんまり好きじゃないんだけど、

ヘレンくらいなら
出るボリューム的にはちょうど良かったし、

役も合ってたと思う。

さいごに

人を信じることだったり、
人を赦すことだったり、

どんな困難にも屈せずに
愛しぬくことだったり。

それらの大切さを考えさせられる、
そんなメッセージ性のある作品でした。

ハッピーなミュージカルもいいけど、
たまにはこういうのもすごくいい。

暗くて、重くて、
悲しくて、切なくて、
それでいて あたたかい物語でした。

観終わった後の、心地よい疲労感が、
わたしを虜にします。

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