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ねぇ、奥さま

「読む時間がないのよ!」

静かな店内に、夫婦の片割れの声が響く。

ここは、書店に併設されたカフェ。
書店で購入した本を読むもよし。
持ち込んだ本を読むもよし。
何も読まないのもよし。
自由な空間だ。

どうやら、あちらの奥さまは、自分には自由に本を読む時間がないとご立腹のようす。
旦那さまは、そんなの読めばいいじゃないかと、これまたご立腹のようす。


…まったく。
そんな喧嘩していないで、読めばいいじゃないか。今でしょ、今。
今こそ、読む時間ですよ。

…なんて、心の中であちらの夫婦に話しかけてみる。


秋の夜長。
月あかりの下、小説のページをめくる。
あたたかい飲み物を手に、自分だけの時間を過ごす。
というのが、あちらの奥さまのご希望かしら。

秋の夜長。
いいじゃない。
月あかりの下じゃなくても。

ブルーライトの向こう。
noteの世界はとっても広くて、読みきれないほどの読みものが用意されている。

ねぇ、奥さま。

ベッドの上に寝転んで、薄い布団を足元に巻きつけて、秋の夜長を楽しみましょうよ。

まずは #シロクマ文芸部 から、いかがでしょう。




小牧幸助さんの楽しい企画に参加させていただきました。



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