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大切な人は

私には「兄ちゃん」がいます。
正確には「兄ちゃんと呼ぶ人」がいます。

元気ですか?
私はとても元気で、先日ハイキングで訪れた場所で可愛いキノコをたくさん見つけたよ。最後の最後、階段状のくだり道で足を捻挫したことは大失敗だったけれど、湿布を貼って、もう腫れもひいてきた。

心の中で書く手紙は、こんな感じ

そんな、どうでも良いようなことを伝えたくなるけれど。久しく会っていないと、相手がどんな状況かわからなくて、躊躇してしまう。

先日…と言っても、ずいぶん前になってしまうけれど『ものがたり珈琲』が届いた。
私の大好きな小説家 小牧幸助さんがその月の小説を書かれると知り、迷わず注文。
今回で2度目となる注文は、前回同様、ひとつは自分へ。そしてもうひとつは「兄ちゃん」の住所へ届くように注文した。

届いていた『ものがたり珈琲』をなかなか開けられずにいたのは、ホットコーヒーの気分じゃないんだなぁ私、と思っていたけれど。
でも、あんなに楽しみにしていた小牧さんの小説も読まずにいるなんてね。
ん〜…なんでだろう…

しばらくして、箱を開ける日が来た!
開けた瞬間、珈琲の良い香りがふわ〜っとして、それだけですっかり心が満たされてしまった。
珈琲を淹れたのは、そこから数日後。
そして、小説を読んだのは、そこからさらに数日。

小牧幸助さんの小説は、余韻までもが作品!…なんて。
何度も読んで、気に入ったフレーズや場面、登場するアイテムを指でなぞる。

小説を読み終え、とじた背表紙には…

『久しく会えていないあなたの大切な人は誰ですか?』

ドキッとした。
あぁ…「兄ちゃん」に手紙も書かずに『ものがたり珈琲』を送って、メールすら送らず。
そして、届いたよ!の連絡もなかった。

ドキッとした一文に、背中を押してもらう結果となった。

あまりにも久しぶりで、思わず敬語になってしまいそうな出だし。勇気を出して書き始めた。

○○兄ちゃん、元気?
小説届いた?珈琲届いた?
きっと毎日いそがしい○○兄ちゃんだけど、お休みの日くらい寛げる時間はあるでしょう?
出来れば珈琲飲みながら、小説読んでね。

『ものがたり珈琲』は毎月届くサブスク型のサービス。私のように、お気に入りの小説家さんの回だけ注文するという人は少ないのだろうか。

こんな風に、毎月背中を押してくれたり、心を穏やかにしてくれたり、好みの珈琲の味と出会えたり。
大切な人が誰なのかを気づかせてくれたり。

あ、○○兄ちゃん!
珈琲2種類あるけれど、どっちが好みだった?私は『話に花を咲かせたい時に』の珈琲が好みだったよ。

『久しく会えていないあなたの大切な人は誰ですか?』

大切って、色々ある。
兄ちゃんより、もっと大切な人もいる。

でも、ただ。
兄ちゃんには元気でいて欲しいと、心から願うのです。


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