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好きな人や物が多過ぎて見放されてしまいそうだ⑤

不思議に目が合う人っている。

同じクラスにはなったことがないけれど、

なんだか時たま声を掛け合ったり、

本当は友達の友達くらいなんだけれど、

友達より仲良くなりそうな雰囲気を出していたり

そういう人。


そういう人がいる。


高校の時からのつながりで、

私は中学高校大学と一貫のところに通っていて、

私は高校からそこへ入ったので、

高校と大学は一緒だった。

でもクラスは一緒になったことはないし、

大学も学部が違った。

でもなんだったかな、

そうそう、友達と同じサークルに入っていたのか。

あとは、部室が近くて彼をよく見かけたってのもあるのだろうけれど。


大学を卒業して三年後くらい

たまたま共通の知り合いの結婚式で再度会うことがあった。

なんとなしにみんなで話し合っていると、

「なんかお互い良く知っている感じがするよね。」

と彼から言ってきたのだ。


その後も別に何もない。

なんなんだろう、と思うけれど何もない。


でも彼の人懐っこさや、

音楽が好きなところ、

ちょっと変わっていてセンスがあるところ、


そんなところは好きだったし、

素敵だな、と思っていた。


ちょっと人見知りっぽいところも。

とはいえ、少しひょうひょうと生きているように見えるところも。


彼にとって私も

そういう人の1人だったらいいな。


もしかしたら何かが始まっていたかもしれないくらいの

1人であれば。


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