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好きな人や物が多過ぎて見放されてしまいそうだ⑥

なんかちょっと

ぽっとする話が続いているので、

その流れで。


好きだった人がいた。

少しずるい人。

彼、元気にしているかな。

不健康に見えるほうが素敵に見えるんだけど。

すっと背が高くて、ひげが生えていて、

なんだか世の中の闇の部分が好きで、

写真家だった。


私が彼の写真を見せてといって

見て、その後その写真をぽんっと机の上に置いて

別の話をしたら、

腹を立てていたな。


私とは分かり合えないって。

言ってたな。


でもあの時の私達は、小説のような一瞬を生きていたと私は思っていて。

それは嫌じゃない思い出。


出会った瞬間から

すごいアプローチだったもの。

日本人じゃなかったからかな。

それはそれは情熱の国って感じで。

私はその情熱にやられて、彼がまたねって去った後に

頭がずっとぽーっとしていて、指を怪我した。

夏のはじまり。


そうそう。それは今でも傷になって残っていて。

馬鹿な恋をしたよなぁと思えるもの。


元気だったらいいな。

うんと年上の彼女がいたな。

今もどこかで愛されてるといいな。



でも本当に思うのだけれど、

人と人が出会うときって

本当に物理的にも会うのだと。

この時本当に思った。


こんなスマホやネットワークがびゅんびゅん飛んでいるのに、

なんのやりとりなしに、

街中で彼を発見したときの

胸の高鳴りは

すごかったな。


胸の高鳴りって何かの曲にしか出てこない

実際使わない言葉かと思ってたかと思うけど


そうじゃなかったな。


元気だといいな。

少し悲しそうに、でもずるそうに笑っていたらいいな。


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