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一昔前のMBAで教えられたマトリクス

昨夜は結構な雨が降りましたので、外飲みは断念して部屋飲みで終わらせました。今日は雨上がりに松本市内に出てきて、飲んで、軽酔いで部屋に帰ってきて、『一昔前のMBAで教えられたマトリクス』という真面目なテーマで語ってみます。

古臭いけど本質をついたマトリクス

私がMBAのクラスに通っていたのは、もう随分昔、2001年のことです。ppm分析というあまりにも有名な二項対立のマトリクスを、新入社員研修以来学びました。

日本語では、『花形』『金のなる木』『問題児』『負け犬』。英語では、Stars』『Cash Cows』『Question Marks』『Dogs』です。2001年の冬、オハイオ州(Ohio)のフィンレー大学(Findlay University)』に留学していた時代のことです。

このマトリクスは、普遍の真理を突いていますが、流石に古臭いテンプレートなので、2023年に喜んで話せるようなテーマではありません。

X軸とY軸を使うマトリクス

しかし、このX軸とY軸の二項でモノを考えると、複雑に見える事象もシンプルに整理でき、かつしっくり理解できる体験をしました。二項4マスで該当する適当な用語をあてがうと、色々分析に応用できます。

例えば当時、私の所属していた鉄鋼業では、アメリカのミルが経営的に次々とヤバくなっていました。インランド・スチール、LTVスチール、ベツレヘム・スチール、ホイーリングピッツバーグ、ナショナル・スチール......  世界の王者を謳歌していたこれら鉄鋼メーカーは、1999-2004年あたりに合併もしくは買収によって統合されてゆき、2023年の今日は跡形もありません。当時からNo.1だったUSスチールは今も健在ですが、アメリカにいて崩壊する鉄鋼メーカーを観察できたのは、そこで働く当事者には地獄でも、個人的には無茶苦茶幸運でした。

それまでのアメリカの鉄鋼メーカーは、業績が悪くなると、あたり構わず外国からの輸入製品にダンピング提訴を仕掛けてくるので、毎回閉口していました。自分たちの供給出来ない製品でもお構いなしで、お客が困ることなんて知ったことじゃない。自分たちが楽に造れる製品を高く買わせるいい方法だと味をしめているとしか思えませんでした。地道にいいものを安定的にリーズナブルに供給したい日本ミルにとっては、憎き存在でした。

MBAのクラスでは、その破壊力抜群のダンピング提訴の経済的効力や意味合いを理解的に説明してもらい、目から鱗でした。

DS(需給)曲線を使っての説明は鮮やかでした。
ダンピング提訴とセーフガードは、提訴する者(=アメリカ鉄鋼業界)が欲しい効果(=輸入品の抑制)は同じだけど、経済学説的には真反対な手法だ、という説明には痺れました。英語が得意ではなかった私も瞬間的に理解できました。

自分だけのマトリクス

自分だけの二項対立モデルを考えて、理論化出来るくらいまで煮詰めてみたいと思います。X軸に何を取り、Y軸に何を置くか、考えてみます。

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