土用の丑の日うなぎを食うべし。に習う伝え方のキホン

日本最初のコピーと言われる平賀源内の「土用の丑の日うなぎを食うべし」ですが、現代においても伝え方のキホンがここには詰まっているかと思います。

もともとは、夏になるとうなぎが売れないという鰻屋から相談をされたため作られた言葉とのことですが、うなぎを美味しく食べるという視点に立つと、冬の方が脂が乗っているため、季節的には冬の方が好ましいです。
これを供給側の視点で考えようとすると、夏だったら安くするよ。的な価値はそのままに金額を下げるアプローチをする発想が出てきそうなものです。

しかし、このコピーは価値を下げることなく、逆に需要側に立って価値を上げるアプローチをしているところが現代においても学ぶべきものです。
夏といえば体力が奪われる。そして当時精のつくものとされていたのはうなぎだったそうなので、体力の落ちる夏にはうなぎを食べると元気になるよ。ということがメッセージになっているわけです。

ちゃんと、生活向上という需要側に立った視点が入っていることと、すでに持たれている知覚(うなぎ=精のつく)ということの2つが盛り込まれているので、人が動くコピーに仕上げっていると考えられます。

この知覚の結びつきによって、メッセージを受けたひとは納得感を得ることができるので、うなぎを食べると夏も元気にという伝えたいことが信頼されるわけです。

もし、知覚の結びつきが抜けていた場合はどうでしょう?

現代において、○月○日は□□の日といったものをメーカー側が設定しているケースがあると思いますが、何も知覚の結びつきがない記念日に関しては、その商品を購入しようという気がしません。

受け取った側は納得感が得られないために「ふーん」と受け流してしまうことになるわけです。

今日は、土用の丑の日うなぎを食うべし。に盛り込まれた現代でも押さえておかなければならないコピー。の話。

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