最っ高なクソババア映画の『あなたの旅立ち、綴ります』

いやー、ホント、新宿ピカデリーで上映される
海外のヒューマン映画は、どうしてこうも当たりが多いのか。
物語の設定が秀逸なのが多いイメージ。

今回の映画もまさにそれで、
予告編を見たときから、楽しみでしかなかった。

新聞に出てる他人の訃報記事を見た
口うるさい完璧主義ババアのハリエット(シャーリー・マクレーン)が
そこに美談が書かれていることに気をよくして、
「あたしの訃報記事も書いて」と
記者のアン(アマンダ・セイフライド)に執筆依頼をするのが始まり。

もうこの時点で、面白いって思わない?!(笑)
そもそも訃報記事なんて新聞に出るんだって思った。
有名でも何でもない、普通の人なんだけどね。

「生前にそんなことするか?!」って感じで渋々引き受けるアンだけれど、
渡されたインタビューリストを元に話を聞いてみると、
ハリエットの評判はクソみたいなのばっかりで、
完全に彼女の人格に問題ありなのだけれど、
そこから自分の人生を変えようと試みる流れ。

いい訃報記事には4つのポイントがあるというのが、ハリエットの持論。

1.家族から愛されていること
2.同僚から尊敬されていること
3.知らずうちに誰かの人生に影響を与えていること
4.ワイルドカード(人によりけりな特記事項)

でも彼女はこのどれもが欠落していて、
それらを埋めていこうと奮闘するところがまた面白い。

いい訃報記事を書いてもらうという不純な動機がきっかけではありつつも、
彼女の憎たらしい一面は時に魅力にも映り、
徐々に上記の4つが埋まって行く過程が、
テンポがよくて、綺麗なつながりで、ラストは号泣(笑)

結局、映画を見てみると、
ハリエットが自分自身の人格を変えるということはほぼなかったし、
おそらく彼女自身も最初からそれをするつもりもなかったと思う。

ただ少しのきっかけや、ほんの少し踏み出す勇気によって、
短所に映る部分が時に魅力となったり、
はたまたまわりの人に影響を与えたり、
ということは大いにありうるんだなということを痛感した。
その中でも、ハリエットの「失敗しなさい。失敗こそが人を賢くする」
というセリフはすごく説得力があった。

人は深く知らないとわからないものだね。
とはいえ、実際にあんなババアいたら距離置くと思うけど(笑)

クソババア、クソジジイ映画ってのは、
やっぱり感動するんだよな。。。
しかも、みんなこだわりや我が強いだけであって、
本当はすごくいい人っていうオチがね、
もう予定調和だとしても泣けるよね。。。

ただ、日本語字幕の「おこ」「激おこ」「ムカ着火」は
ちょっと古いなと思ったけど(笑)

ちなみに、シャーリー・マクレーンって、
名作と言われる『アパートの鍵貸します』のヒロインなんだね。
(まだ見てないけど。。。)

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