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[詩]さよならぷー兄さん

 道端死んでいる猫
 キジトラ焦げ茶のやせた猫
 母が泣いて
 抱き寄せるよ、穴が開いた猫を

 おならをする猫
 その名はぷー
 三つ年上のやさしい猫で
 時折臭いけど

 気付いた時に兄さん
 押入れその奥に隠れてる
 見つかった! どうしよう?
 慌てる兄に僕はわっと笑うよ

 おならをする猫
 その名はぷー
 三つ年上のやさしい猫で
 時折臭いけど

 外に遊びに行くよ
 兄さんを追いかけ威嚇される
 それでも僕らは
 兄さんの遊ぶところを見たいだけさ

 夕方になって兄を呼ぶと
 ほら帰ってくる
 一人で足を拭いて家に入るよ

 おならをする猫
 その名はぷー
 三つ年上のやさしい猫で
 時折臭いけど

 一ヶ月帰らぬ兄
 サバトラ、うちの猫知りませんか?
 僕らは探したよ
 夕焼けが青くなるまで

 おならをする猫
 その名はぷー
 三つ年上のやさしい猫で
 時折臭いけど
 
 二度とは会えないんだね
 結局、オスだもんな
 
 二度と会えない
 さよなら、ぷー兄さん

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