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『カウボーイビバップ』 にコロサレル!

先日Netflixで韓国のSF(スペースオペラ)映画『Space Sweepers』を観た。
「韓国映画界はこんなにもすごいSFを作れるのかー」と感心してしまったのだが、この作品設定やプロットなど日本のあるアニメに確実に影響を受けているなーとも感じた。
そのアニメこそ、現在のアニメや映画などの映像作品に大きな影響を与えている“カウボーイビバップ”である。
1998年にたまたま空いたテレビ東京の枠で、1クール12話に短縮されて放映されるまでに2年近くの年月を要したこのアニメ。
間違いなく私の中でのベストアニメと言える作品です。
そして現在Netflixとドラマ『プリズン・ブレイク』で知られる制作会社トゥモロースタジオによって実写ドラマシリーズが制作されています。
今回はそんな伝説のアニメ“カウボーイビバップ”について。


カウボーイビバップのあらすじ。

位相差空間ゲートによって短時間で惑星間を航行できるようになり宇宙時代を迎えていた未来の太陽系。
賞金の掛かった犯罪者を追って宇宙を飛び回る、通称“カウボーイ”と呼ばれる賞金稼ぎが生業のスパイクとジェットは元マフィアと元警官。
記憶喪失の上に莫大な借金を背負っている謎の女フェイ、野生児のような天才ハッカーのエド、人間並の知能を持つデータ犬アインが加わって4人と1匹が惑星間航行船ビバップ号で奇妙な共同生活を送ることになる。
ー公式HPより

菅野よう子という天才。

まずこのアニメの特徴としては音楽がある。
“ビバップ”というタイトルからわかる通り全編をジャジーな雰囲気で構成しているが、各話によって様々な音楽要素をミックスしている。
そもそも各エピソードタイトルが、

『カウボーイ・ファンク
ワルツ・フォー・ビィーナス』

のように音楽のジャンルが入っていたり、

闇夜のヘヴィロック』(エアロスミス)
悪魔を憐む歌』(ローリング・ストーンズ)

のような名曲のタイトルにインスパイアされていたりと、音楽ありきでアニメが作られているのがわかる。
監督である渡辺伸一郎の音楽愛が伝わってくるようだ。
そしてこの劇伴を担当しているのが菅野よう子
アニメ好きなら知らない人はいない名曲製造機。
その菅野よう子がこのアニメのために名プレイヤーを集結させたSEATBELTSが演奏を担当。
おそらく19世紀でここまで音楽に拘ったテレビアニメは無いと思う。
そしてOP曲の『TANK!』を初め、かなりの曲が今でもバラエティ番組などで使われているので誰もが耳にしたことが一度はあるはず。

以下の映像は2020年の緊急事態宣言下でSEATBELTSのメンバーがそれぞれ別々に自宅等で演奏したものを菅野よう子がまとめたバーチャルセッション!


音楽をはじめ、メカニックデザインや台詞など細部への異常な愛情こそこのアニメが伝説となっている要因の一つだと思う。


傑作エピソード3選。

全26話一つもハズレの無い素晴らしいアニメシリーズなのだが、あえて個人的に好きなエピソード3つを紹介。


『ヘヴィ・メタル・クイーン』
いつものジャジーな雰囲気とは変わり爆音ヘヴィメタルが物語のアクセントに。
物語を通してデコトラッカーV.T.の本名が鍵になってくるのだが、ラストその伏線回収からのスパイクとV.T.のやり取りはシリーズ最高の名シーン。

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『マッシュルーム・サンバ』
これは少し変化球エピソードで全編を通してかかるサンバのリズムと、今エピソードの主役エドのブッ飛んだコメディの要素がとても良いハーモニー。
マッシュルームでみんながトリップしてからはもう異世界ワールドへようこそ。

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『スピーク・ライク・ア・チャイルド』
シリーズ随一の悲しいエピソード。
今エピソードの主役フェイは冷凍催眠によって過去の記憶がないんですよね。そこに彼女の過去が記録されていると思われるベータテープが届きます。でも未来のこの世界にはベータテープを見るハードがない。いつもフェイに憎まれ口を叩いているスパイクとジェットだがこのベータテープを見るためのハードが残されている地球へと向かう。そしてそのテープに残されていた映像とは…
ビバップ号のみんなの事が大好きになるエピソード。

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バンダイチャンネルを始めNetflixHuluなど各動画配信プラットフォームで全話公開中!
さらに3/20(土)21(日)の2日間ニコ生で一挙放送があるみたいです。
まだ未体験の人はこの3話だけでも観ていただきたい。

※ちなみに劇場版はプレミアム会員限定なのでご注意を!


潰えた夢の続き。

冒頭にも触れたNetflixとトゥモロースタジオによる実写ドラマ計画。
実はファンの間で盛り上がっていた夢があった。
それは同じく大人気アニメ『攻殻機動隊』がハリウッドで実写映画化された時に日本語吹き替えをアニメ版の声優陣が起用されたという粋な計らいと同じ事である。
映画やドラマの出来とは別に、やはりオリジナルの声優が声を吹き込むという事は特別だ。それは命が再び芽吹く事と同じだから。
ファンの間で盛り上がったこの夢は2018年に叶わぬ夢になった。
それはメインキャラクターの1人ジェット・ブラック役の石塚運昇さんが亡くなったたため。
石塚さんのジェットと山寺宏一さんのスパイクは今でも私の中でのベストバディである。
そんな2人の掛け合いをもう一度体験する事はできなくなった。
それでも実写ドラマの撮影は続いているし、Netflixで全世界配信される日は刻々と近づいている。
その時に吹き替えは石塚さん以外オリジナルキャストになるのか?
それとも全く別の新しいキャストになるのか?
はたまた日本語吹き替えは無いのか?
夢の続きの物語はまだ先のおはなし。


アニメにコロサレル!
ニシダ

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