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アナ雪の岡田斗司夫解説の感想

岡田斗司夫のアナ雪解説を再見している。「もともと寒くなかった」を人間性の喪失として岡田は解説しているが、そうなのか。またモンスター化していく、魔女になっていくエルザという隠れた側面を提示し、ポジティブで明るい表面の調子とを並べ、ダークサイドに落ちていくエルザという言い方をしている。

「もともと寒くなかった」という気付きは人間性の喪失ではなく、社会的制約のなかで演じることを強いられてきた、同調圧を感じてきた、だから周囲にとって自明的な雪が降れば寒い、をしていた=演じていた。それが周囲に同調していくうちに演技であることを忘れ、自己を喪失していった、と捉える。

つまり「もともと寒くなかった」ほうが自己にとっての真実だったということに回復したのではないか。雪だるまを魔法で作りのちにこれが動き出す(生命が吹き込まれる)ということは西洋的にみれば、人ならざる魔女の所業の定型だという。これが自己の(力の)解放として描かれることで明るいイメージに変えている。この辺はおそらくそういう意図だろうと思う。ただそれは分かると怖い話のようなものではなく、むしろ分かればこそ社会的な価値の外側で自己へと回復していく様として捉えることができる。ネガティブな意味付けはおそらく一切ない。

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