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満員電車のお弁当・1/7-1/13

今月から「一週間の日記」を始めました。

その日のできごとを絡めて、考えたり感じたりしたことを書いています。

一日ぶんはスマホでさらっと読める短さです。おやつタイムや電車の待ち時間などにどうぞ〜

 



1/7 (日) 個性とか世界観とか

月イチの書き上げ塾の講義があった。このところ「自分の世界観」というワードがアンテナに鋭く引っかかる。個性とも言い換えられるそれを、わたしは文章でどう表せるんだろう。人の文章を読むときは、ここが凝り固まっているからもっと解せそうとか、ここに個性が出ているなとかがなんとな〜くわかる。でも自分の文章になると途端にわからなくなるのが不思議だ。確かに、初稿と先生に朱入れしてもらったリライト稿を見比べれば、表現の深みがまったく異なるし、リライトのほうが良くなったのがわかる。編集と校正の手が入るってすごいことだ。しかしわたしの世界観とは、のループに戻る。その手応えを得るまで書き続けるしかない。書き続けることにこだわり抜くからこそ、わかるものなのかもしれない。

 

1/8 (月) 「ググり力」を鍛えたいなら

海外ドラマが好きで、いろんな作品を並行しながら見ている。家族が横にいると、しばしば「この俳優さん見たことある!」とか「この吹き替えの声、聞いたことある!」とかで盛り上がって、それがどのドラマのなんの役だったかを当てる謎の競争がはじまる。主演級の役者さんなら日本語のWikipediaで見つかるからすぐ決着がつく。あちこちのドラマに端役で出るような「名脇役」みたいな役者さんだと、海外のWebページでもなかなか見つからない。「この人見たことある」が喉まで出てるのにわからないのって悔しい。ついムキになって、ドラマそっちのけでネットの海に潜っていってしまう。ようやくたどり着いた英語やスペイン語のマニアックなブログで「そうだった! このドラマにも出てた!」がわかったときのアハ体験といったら。育ち盛りのググリ力のおかげで、声優さんや海外の役者さんに妙に詳しくなりつつある。

 

1/9 (火) noteは36.2度のコミュニティ

ここで日記を書こうと思い立ってから、たくさんの日記noteを読んでいる。芸能人でも有名人でもない、どこかで生きているごく普通の人たちの暮らしって、どうしてこんなに面白いんだろう。同じ年代の人でも生活ルーティンは異なるし、似たシチュエーションでも印象に残ることは違うし、それを知るのがほんとうに好き。最近はX(旧Twitter)にほとんど顔を出さなくなったのだけど、その理由のひとつに「日常が見えなくなったから」がある。昔に比べてリアルタイムで呟く人が少なくなったり、ビジネスめいた内容やライフハックみたいな「おすすめポスト」がタイムラインに横入りしてきたりして、わたしが好きで見たかった「普通に暮らしている人の様子」が消えてしまったように感じている。noteは人肌くらいの温度がある。そんな頻繁に交流はなくても治安がよくて、隅にちょこんと座って書いていられる、そんな居心地のよさがある。

 

1/10 (水) 大いなるネタバレ?

たいへん今さらながら、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』を見始めた。一世を風靡した当時は、まわりの人がみ〜んな見ていた覚えがある。なるほどこれが「逃げ恥」ね。流行りに乗っかりたくない天邪鬼なわたしは、ドラマもマンガもアニメも音楽もたいてい数年遅れてハマる。今回もしかり。どの角度から映っても淡々とした可愛らしさがあるみくりさんと、ちょいダサな走り方が神がかってる平匡さんの毎日を、ハラハラにやにやしながら眺めている。そういえば、主演のお二人はこの作品をきっかけにリアルでも夫婦になったんだっけ。今のあなたがたは知らないだろうけど、この何年か後にご結婚なさるのですよ……。などと、テレビに向かって思ってみる。本編にはまったく関係ないのに、ものすごい重大なネタバレを抱えた予知能力者のような気持ちが芽生えてしまった。

 

1/11 (木) ハピ

冬のあいだは布団に湯たんぽを入れている。寝付きがよくなるし、布団にもぐりこんだとき暖かいと嬉しいから。いつもついでの感覚で、家族ぶんをあと3つ用意する。湯を沸かして中身を入れ替えるだけでも意外に時間かかるなぁと思いながら、辞めどきを失っていた。ほかほかの湯たんぽを手渡したら妹に「ハピ」と言われた。「なに?」と聞いたら「湯たんぽって私は面倒くさくて毎日やれないけど、やっぱあると嬉しいんだよね。ほっこりする小さな幸せでハピ。ありがとうって意味」と返される。なるほど上手いこと言うなぁ。身近な人の日々は幸せな時間で満ちていてほしい。ただ一瞬で「幸せ爆上がりのハッピー!!」状態にするのは難しいけど、毎日ちょっとの「ハピ」を配れていると考えたら確かに嬉しいかも。ゲンキンなわたしは明日の夜もちまちまとハピをこさえるんだろう。

 

1/12 (金) 満員電車のお弁当

うっかり忘れたという母に頼まれて、父の弁当を作った。ボウル型の弁当箱と格闘して10分。高さがあるものに見栄えよく詰めるのって難しい。詰めて戻してまた10分。おかしいな。レタスは千切った和紙になり、うまく収まらない焼き豆腐はテトリスみたいに積まれていく。自分のならまだしも、人の弁当だと思うと開けたときなんかいい感じに見えるようにしたい気持ちがむくむくと湧いてしまう。これを手際よく40年やってのけてる母、すごすぎる。発車しまぁす、奥に一歩、詰めてくださーい。ぎゅむぎゅむに押し込められたおかずたちに数時間のガマンを強いる車掌の気分だ。開けた瞬間に我こそはと飛び出してきませんようにと祈りながら、かぽりとフタを閉じた。

 

1/13 (土) 自分の言葉を「持つ」

テレビをつけたら『世界一受けたい授業』に作家の角野栄子さんが出ていた。著書はたくさんあるけれど、ジブリの原作『魔女の宅急便』や絵本の『ちいさなおばけシリーズ』なら知っている人も多いと思う。赤縁メガネで品を感じるオシャレな佇まい。場を包むように温かく、それでいてハキハキした話し方が素敵だと思っていたら、御年89歳のテロップが出て驚いた。昔は読者からもらう手紙にたくさん文章が書いてあったけど、この頃は言葉が少なくなったと感じるという話に、感情を絵文字に置き換えたり、手間を惜しんでスタンプで返事を済ませていることを思う。「自分の言葉を持って自分を表現するのが、これから大事になってくる」と仰っていた。自分の言葉を「持つ」って表現が本当にすばらしくて、二度、見返した。もっとたくさん言葉を集めて、わたしの言葉を持って、わたしの世界観を表すために自由に書いていきたい。月末に公開される先生のドキュメンタリー映画も気になっている。


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