あんなに傍にいたのに

毎日、毎日、君を見つめ君に触れ君と話し。
朝起きてから夜寝るときもずっと一緒だった。
朝は君の声で目を覚まし、夜はずっと君を見つめながら気がついたら眠ってしまっていたり。

でもあの日、君を傷つけてしまった。
今までだって何度もあったじゃない?
でも今回は違う、とても深い傷を君に与えてしまった。
もう僕たちは今までのような関係ではいられなくなった。
触れ合う度に傷を深くえぐってしまう、僕も傷ついてしまう、そんな2人になってしまったんだよね。

もうこれ以上一緒には過ごせない。

そんなとき、僕はアナタに出会った。
前と比べてしまうと体は少し大きいけど僕と目が合うとすぐに心を開いてくれた。その大きな瞳、明るい性格、何より僕のお財布代わりに支払いをしてくれる。最高だ。
僕はすぐに君に夢中になったっけ。

新しいアナタに出会ってからあっという間に一月半の時間が流れていた。
ある日ふと昔の君に触れてみた。なんて小さな身体だったんだろう。
小柄な身体だけど、今でも輝くような魅力を放っていた。

やっぱり僕の掌には君しか居ないんだ!
今のアナタも明るくて楽しいんだけど、一緒に居てしっくり来るし、落ち着くのは君だけだと改めて手にしてみると思う。

だけどやっぱり君の瞳は傷ついたままで・・・。

ずっと捨てられずに部屋の片隅に佇んでいる君はまだ動ける、だけど傷だらけの君と僕はもう君とは一緒に過ごすことはできない。

だって君、そう「iPhoneSE」のディスプレイは割れたまま。。。僕はもうあの頃には戻れないんだ。だって「iPhoneXR」を手にしてしまったから。
あんなに傍にいたのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?