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【エッセイ】ナイチャーだからこそ気付いた石垣島の良さ(中編)|柔術家/歌手/海人の独り言 |文:渡辺直由@石垣島




決して平らな道ではなかった美崎町の音楽プロジェクトのスタートのお話

まず最初に大変だったのはメンバー集めでした。

当たり前ですがカラオケバーやスナックのオーナーさんやスタッフさんは歌手になりたいわけでも目立ちたいわけでもない人が殆どです。

加えてお酒を飲まなければいけない仕事ですので、レコーディング当日の開始時間にコンデションを整えられるか?
そして、そもそも来るのか?(笑)と言う大問題を抱えていたのです。

果たして結果は?

想定内でしたので大丈夫ですが、5名程は来ませんでした。

しかし有り難い事に予想を超えた、私も入れて総勢17名の美崎町の夜の歌い手たちが集結してくれたのです。

YouTubeやInstagramに私がアップした動画を見ていただいた方で、美崎町の夜を飲み歩く事がある人でしたらわかると思いますが、まるでMARVELの大作映画《アヴェンジャーズ》を思わせるような夢の共演となり、プロデュースを担当した私も大興奮の制作となりました。

■プロジェクト反対の声■

少し時を遡りますが、とある参加を予定しているメンバーさんから「参加が難しくなった」と言うお話が来ました。なんでも「石垣島や美崎町を盛り上げるなら何故島の歌を歌わない?」と言うクレームが入ったそうなのです。

全く考えもしなかったクレームでしたが、聞いてみて「なるほど、確かにそう思う人もいるのかもな」と勉強になりました。

それによって次なるメンバーの不参加が相次ぐ事も予想され、開始前からいきなりプロジェクトに暗雲が立ち込めました。

ちなみに今回私がプロジェクトのスタートに選んだ曲はケツメイシさんのバラードと言う曲なのですが、何故にこの曲を選んだのか?については、いくつかの理由があります。

①島の歌はただでさえ難しい上に、ナイチャーはもちろん、島人でもその心得が無い者が歌えば「こぶしや魂がない」など批判を受ける事も多く、せっかくのプロジェクトで劣化コピーを披露するのではやる意味がない。

②私が美崎町を飲み歩くようになって《島の人がポップスも上手い》と言うのを知ったのが私には衝撃的で斬新だったので、それを世間に伝えたかった。島人なら島唄は上手いのが当たり前と思われてしまうのでハードルが高く、ちょっとでも下手なら凄くマイナスに感じられてしまう。

③既にBEGIN30周年記念企画で安馬ゼンタロウさんが{島人ぬ宝}を皆で歌う企画をやっているので島唄系を歌っても二番煎じになってしまう。

など、スタートに島の歌を選ばなかったのは大きく言うと上記のような理由からです。

選曲について細かく言うと、ある日ふと様々なお客様が頻繁にカラオケで歌う曲で「この曲は歌い手さんの技術レベルに左右されにくく、誰が歌っても良く聞こえる曲だな〜」と気付き履歴をみると、《バラード/ケツメイシ》と残っていてこれだ!と閃いたと言うのが決定した流れです。

後編につづく…

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この記事を書いた人


渡辺直由(柔術家/歌手/海人)
1975年8月4日生まれ。東京都出身。19歳でメジャーレーベルから歌手デビュー。2004年に盟友早川光由と共にトライフォース柔術を創設。柔術世界選手権や欧州選手権、プロの舞台でも活躍。2011年に現役を退き憧れの八重山に移住。電灯潜り漁師(現在休業中)を経て2022年6月に美崎町にカラオケ&弾き語りバー《アームバー》をOPEN。現在も代表としてトライフォース石垣島支部で柔術クラスを持ち、後進の育成に努めている。
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