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【エッセイ】海人オジー達から聞いた信じられない話|柔術家/歌手/海人の独り言 |文:渡辺直由@石垣島

今回のテーマは、「石垣島のオジー&オバー」との事ですので、そこから話を広げて書きます。

まず大前提として、
・私(48歳)が既にオジーになりかけなので、私から見たらニーニーやネーネーと呼ばなければいけない年齢の人も、オジー/オバーのカテゴリーに入れさせていただく事をご了承ください。

※今回実名は出しませんが、なんせこの狭い石垣ですから内容で誰かわかってしまう場合がありますので(汗)

石垣の海(Photo by Yumiko Takano@Ishigaki)

■[オジー達から聞いた、にわかには信じられないような話]

私は小さい頃、この世には信じられないような巨大生物=何十メートルもあるようなサメやヘビなどもいると信じていました。

しかし時が経ち、私も大人と言われる年齢になる頃には文明も進み
最新機器の開発などもかなり進み
あらゆる海や未開の地が最新の機材によって探索されテレビで放映され、それが空振りに終わったり
「そんなものはホラ吹きやパニックに陥った人間の大袈裟な話だ」と言う事が書かれた雑誌や専門誌を読むたび
「ああ…怪物はいなかったんだ…」とガッカリしまして
ワクワクしていた少年の気持ちもいつしか《常識》というものに染まって冷えて固まり
ツマラナイ大人になっていきました。

それから30年くらいが経ち
石垣島で海人(漁師)を始めてからしばらくして、あるオジーから興味深い話を聞いたのです。

海を眺める猫(Photo by Yumiko Takano@Ishigaki)

世界最大の捕食性のサメとして有名で
映画ジョーズのモデルにもなっている
ホオジロザメですが
そのオジーに言わせると
「ホオジロよ!アレはあんまり大きくならんど」と…

「え?何を言ってるんだ?プランクトン食のジンベイザメやウバザメとでも比べた話をしてるのか?」と最初は思っていましたが
どうやら違うようです。

しかも、そう話すのは1人や2人ではありません。

何人もの海人オジーやニーニーが
ホオジロザメより大きくなり
ジンベイザメやウバザメとは異なる
鋭い歯を持った、つまり《人喰い系》の超大型種の存在を確信しているのです。

そんなバカな…
今や皆がスマホを持ち
深海まで調べられる探査船や衛星からの望遠鏡もある世の中で
まだそんな怪物が発見されていないなんて事が???

その疑問は確かに今も私の胸に残っています。

しかしオジーたちの目撃談はその疑念にも勝る説得力を持っていました。

有力な目撃談を簡単にわかりやすくまとめて標準語で話すとこうです。

「自分の15メートルはある船に寄って来たそのサメが船体と同じかそれ以上の長さで、同種かはわからないがイッチョウ(和名イタチザメ/タイガーシャーク)と同じ顔をしていた」とその人は語りました。

「何故それを他の人やメディアに言わないのか?」と質問したのですが
嘘つきだと思われたくないからだそうです。

※確かにこの記事を書いている2023年9月末現在ではこの話を信じる人間は殆どいないでしょう。

そして
その話を石垣の海人オジーから聞いた時
ブワーッっと色々な過去の記憶が甦って来たんですね。

海に続くみち(Photo by Yumiko Takano@Ishigaki)

■[宮古島の有名な人喰いザメハンターに聞いた話]

30年前から20年前くらいに計10回くらい宮古島に行って
その当時毎回お世話になったサメハンターで有名なテレビにもよく出ているSさんが
「尖閣諸島の近くで9メートルを超えるイタチを見た」と話してくれました。
※Sさんがそのイタチザメを見たのは確か20年よりまたさらにもっと前だったと思います。

どういう状況だったのか?と聞くとクジラの死骸を食べていて
餌に針が付いたワイヤーを付けて投げたがクジラに夢中で全く興味を示さなかったんだという事でした。

彼もやはり「何故テレビでその話をしなかったのか?」と聞くと
「嘘つきと思われたくないし実際に獲って証明したい、それが生涯の夢だ」と厳しい表情ながらも目を輝かせていました。

9メーターでも世界記録更新ですからね。

■[他にもある世界記録超えの巨大ザメの目撃談]

ある離島の船頭&グラスボート屋さんも20年くらい前に
「ちょっと前、この船(グラスボート)の下に2匹のサメがついたけど船より長かった」と話してくれたんですが
その時も「え?この船って10メートル以上あるのに…ジンベイザメでもないのにそんなのいるわけねーじゃん」と聞き流してしまいました。
ちょっと信じ難いな〜という風な表情をしてしまった私を見て
その船頭さんは「フッ甘いな坊やwどうせ信じんだろ」とでもいうような呆れた表情をしていたのをよく覚えています。

朝の凪(Photo by Yumiko Takano@Ishigaki)

■[ハワイでも?]

あとこれは何人かを経由し、ひと伝えに聞いた話なんですが
ハワイ沖で水中撮影をしていたカメラマン自体だったか
その仲間のどちらかは忘れてしまいましたが気配を感じ振り向くと巨大ザメに仲間が一飲みにされ
一瞬で深みに消えてしまったそうです。

そのサメにはやはりしっかりとした歯がありましたが
その歯に触れる事もなく=食いちぎられたり出血せず
一飲みにされてしまったそうで
やはりその話は信じてもらえず
取調べが色々と大変だったようです。

私がサメ駆除で見た500〜600キロを超える最大級のイタチザメでさえ
口のサイズを見れば成人した人間が歯に触れないで飲み込まれるなんて事はあり得ないし
その倍の1トンや1.5トンの個体を想像しても恐らく無理なので
その話が事実ならやはり15メートルを超えるような個体なんじゃないかと想像してしまうので
信じて貰えないのも無理はないと思いますね。

■「いつか巨大人喰いザメは見つかるのか?」

ダイオウイカなど私が小さい頃からつい数年前までは
一応保存された遺体などはあるものの
伝説上の生き物に近いような扱いの存在だったものが近年急に頻繁に見られるようになる場合もあるので
周期などでいきなり巨大人喰いザメが出現し撮影されまくる可能性も有り得なくはないのではないか?と個人的には考えております。

もちろん絶対いるとはまだ言えませんが
超現実主義の海人たちがホラや大袈裟な話をするとは到底思えません。

彼らの人となりを知る私が想像するに
もし彼らの話が真実でないとしたら
それは夢か幻覚を見て事実と混同しているとかしかあり得ないでしょうね。

確信犯的に嘘をつく事はまずないです。

新川の海(Photo by Yumiko Takano@Ishigaki)

■ [八重山のジュゴンの話]

そうそう
巨大ザメの話とは別ですが
ジュゴンについて非常に興味深い話があります。

私を可愛がってくれる海人オジーのお父さんが八重山の夜の海でジュゴンを見たらしいのですが(確かもう40〜50年前かな?)
その時は既にジュゴンは八重山を含む沖縄全体では絶滅したとされていて散々嘘つきだと言われて本当に悔しい想いをしたそうなんです。

私がこのジュゴンの話を海人オジーから聞いたのは約10年前。

それから数年(今から3〜4年前かな?)経ってから
[沖縄県の海域にジュゴンの糞が見つかった]だか[ジュゴンが海藻を食べた跡が見つかった]みたいな事がニュースになりましたよね。

もちろんそのニュースのジュゴンはどこからか流れ着いたのかも知れないので、
ずっと継続してジュゴンが沖縄に生息していたのかまではわかりませんが、40〜50年前にオジーが見たジュゴンを見た話が本当であった可能性はとても高くなりました。

有り得なさそうな話でも
全てが嘘とは限らないんです。

皆さんもそんな伝説の中にしかいないような生き物の目撃談などあれば
教えてください。

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この記事を書いた人


渡辺直由(柔術家/歌手/海人)
1975年8月4日生まれ。東京都出身。19歳でメジャーレーベルから歌手デビュー。2004年に盟友早川光由と共にトライフォース柔術を創設。柔術世界選手権や欧州選手権、プロの舞台でも活躍。2011年に現役を退き憧れの八重山に移住。電灯潜り漁師(現在休業中)を経て2022年6月に美崎町にカラオケ&弾き語りバー《アームバー》をOPEN。現在も代表としてトライフォース石垣島支部で柔術クラスを持ち、後進の育成に努めている。
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